結婚していない日本人の父親と外国人の母親との間に生まれ、生後に認知された婚外子にも日本国籍を認める改正国籍法が5日、参院本会議で与党と民主、共産、社民各党などの賛成多数で可決、成立した。偽装認知への対策が不十分などとの立場から、国民新党と新党日本、無所属の計9人が反対し、自民党の有村治子、衛藤晟一、山東昭子の3氏が棄権した。
両親の未婚を理由に日本国籍を認めないのは「不合理な差別で違憲」とした6月の最高裁判決をふまえ、政府が11月に改正案を提出。自民、民主両党が早期成立で合意していたこともあり、衆参両院での実質審議は計3日というスピード成立となった。
審議中に与野党内で偽装認知への懸念が高まり、4日の参院法務委員会では改正案とともに付帯決議案も可決。半年ごとの国会への報告、父子関係を確認するためのDNA鑑定導入の必要性を検討することなどについて、政府に配慮するよう求めた。
反対した新党日本の田中康夫代表は「DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務の責任明確化を(国籍法に)明記しない改正は『人権侵害法』に他ならない」と語った。
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■改正のポイント
●父の認知があれば、両親が結婚していなくても届け出によって子の日本国籍を認める
●03年1月以降に改正後の条件を満たしている者は、さかのぼって国籍取得を認める
●うその国籍届け出に対する罰則(1年以下の懲役か20万円以下の罰金)を新設する