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【大相撲】強敵・週刊現代記者が、横綱の取り組みを毎日チェックします

あっけなかった決定戦、「でもこれこそガチンコだったかも」 ~ 千秋楽

OhmyNews編集部(2007-03-25 19:32)
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 「優勝決定戦を見て、すぐの感想はやっぱり『なんだよこれ、カネ返せ』でしたね(笑)。いや、テレビで見ているからカネは払っていないんだけれど」

 とはノンフィクションライターの武田頼政さん。横綱・朝青龍の八百長疑惑を報じている『週刊現代』記者である。

 2週間、勝手に続けてきた横綱ウォッチも最後となる25日、大相撲春場所(大阪府立体育会館)の千秋楽。13勝2敗で並んだ朝青龍と大関・白鵬の優勝決定戦となった。ここまでは武田さんがかねて予想してきた通り。

 だが、その決定戦は、「のこった」と立ち上がって組み合う間もなく、はたき込みで朝青龍に土がついた。

 取ったといえるのかも分からないような決定戦に、朝青龍も苦笑い。座布団が中途半端に舞う中で、白鵬の2回目の優勝が決まり、春場所は盛況のうちに幕を下ろした。

 「入場、そして土俵入りのタイミングが2人でかなりずれていた。あれは朝青龍の焦りを誘う白鵬の作戦勝ちだったのではないでしょうか。優勝決定戦は通常、熱い大相撲になるもの。お客さんはみんな期待しますから。それがああいうあっけない一番になったのは、逆に、本当のガチンコの一番だったということかも知れません」
 
 八百長疑惑を報じ、2度と場所取材には入れなくなった立場で、15日間の朝青龍の動きを見続けた感想は「やはり強いな」だった。

 「地力はある。ただ、やっぱり連覇をするほどの力はないんだなと、逆に確信しました。疑惑報道のプレッシャーがかかり、ガチンコ勝負が多くなってくると、こんなにも危ない、不安定な取り組みが増えるのかと。それにしても、今場所は面白かった。白鵬が横綱に上がってきたら、朝青龍に立ちはだかる存在になってほしいですね。朝青龍の連覇を許すのではなく、力の拮抗したいい勝負をしてほしい」

 力士陣以外に、北の湖理事長以下、日本相撲協会執行部にも注文をつけたいという。

 「中日(18日)の朝青龍―稀勢の里戦で、朝青龍がヒザ蹴りを入れたときも、執行部は何も言わなかった。諌(いさ)めて然るべき場面です。北の湖理事長のリーダーシップのなさを露呈している。審判部も含めて、執行部はもう少しモノを言って良いのです」

 「八百長にしても、現役力士自身が“注射だ”“ガチンコだ”と軽々しく口にするような状態にまで到ったのは執行部の責任です。それなのに、今回の報道で発憤したのは土俵上の力士たちだけで、執行部は相変わらず。執行部が変わらなければまた同じことが起こる。チェックを、続けていかなければなりません」

 このシリーズは今回で終わりです。

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