大相撲春場所（大阪府立体育会館）３日目は、初日から２連敗の横綱・朝青龍が普天王を一気に寄り切って今場所初白星。立て直しの気勢を上げた。

　勝負はものの数秒で終わり、横綱貫録の圧勝。だが、朝青龍は固くくちびるを引き結んだまま、浴衣をはおって花道を足早に引き揚げた。

　八百長疑惑という特殊な重圧がかかる今場所だ。それでなくても、横綱が３連敗など許されるものではない。その緊張が、全身に痛々しいほどみなぎっていた。

　『週刊現代』で朝青龍の八百長疑惑を追及しているノンフィクションライターの武田頼政氏は、３日目の取り組みを見て、

　「すごくいい相撲でしたね。朝青龍はああいう相撲を取ればいい。取り組みが終わってからも厳しい表情を崩していなかったし、テンションが上がってきているんでしょう。普天王の調子があまり良くないという要素もあったようですが、朝青龍としては良い感じなんじゃないでしょうか」

　と、高い評価をつける。明日４日目は初顔合わせとなる豊ノ島だ。

　「楽しみですね。勢いもあるだろうし。朝青龍には、こうやって勝ったり負けたりしながら、１５日間取り切ってほしい」

　テレビ桟敷を続ける武田さんの『週刊現代』の原稿の締め切りも明日である。

　「まだ何を書こうか、という感じで（笑）。明日、夜遅くに書くことになると思いますが……」


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