【ニューヨーク=丸石伸一】米自動車大手3社「ビッグ3」が、車種の削減や役員報酬のカットなどを検討している、と複数の米紙(電子版)が1日報じた。議会に2日提出する予定の経営再建計画に盛り込まれる見通し。批判を浴びた専用ジェット機の使用も自粛する方針だ。
報道によると、3社は日系大手3社の倍近い計112の車種(計15ブランド)があるが、市場が縮小する中で大幅な削減の検討を迫られている。フォード・モーターは1日、傘下のスウェーデンの高級車ブランド「ボルボ」の売却を検討すると発表したばかり。ゼネラル・モーターズ(GM)も売却方針を発表ずみのスポーツ用多目的車(SUV)「ハマー」ブランドに加え、「ポンティアック」など複数ブランドの売却などを検討しているという。
また、フォードのアラン・ムラーリー最高経営責任者(CEO)が、昨年約2千万ドル(約18億6千万円)だった報酬の削減を申し出る見通しだとされ、各社とも同様の方策を検討している模様だ。
さらに、GMは2日、今週開かれる議会での公聴会にリチャード・ワゴナーCEOが出席する際、ワシントンへの移動に専用ジェットを使わず、ハイブリッド車を使う方針を明らかにした。ミシガン州の本社から約10時間かかる見通し。米メディアによると、フォードも同様にジェット機を使わない方針という。
再建計画には、販売てこ入れ策も盛り込まれる見通しで、フォードは燃費の良い小型車への生産シフトをさらに加速する見通しという。各社はディーラー網の縮小なども打ち出す可能性がある。