経営破綻(はたん)した遊園地「エキスポランド」(大阪府吹田市)がある万博記念公園に、米国の映画会社「パラマウント・ピクチャーズ」のテーマパークを誘致する構想が浮上した。同園には6月、サッカーJ1のガンバ大阪も新スタジアム建設構想を打診している。ただ、土地を所有する独立行政法人「日本万国博覧会記念機構」は構想に慎重で、見通しは立っていない。
パラマウント社は「ローマの休日」「インディ・ジョーンズ」などの配給元。テーマパーク構想は、大阪府の橋下徹知事の関係者が9月ごろから、同社と契約している投資会社との間で実現可能性を協議。投資会社社長はこうした協議を認めたうえで「大阪で事業を進めるか決定していない」とコメントした。
構想はエキスポランドの敷地を想定しているが、万博機構は来春までエキスポランド社に土地などを委託する契約を結んでおり、今後、更新も検討する。同機構事業部は「パラマウント社からは接触もないし、計画も示されていない」としている。
橋下知事は1日、報道陣の取材に対し、「ぜひ来て頂きたい。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと合わせて、大阪のエンターテインメント都市構想の中核になる」と歓迎する一方、同機構が慎重姿勢であることなどを踏まえ、「ほぼ(構想を)逃したと思う」と否定的な見方を示した。
パラマウント社は04年、福岡県久山町で広さ約150ヘクタールのテーマパーク構想を発表。映画「タイタニック」などを題材としたアトラクション15〜20を置く計画だったが、事業費約1400億円が集まらずに頓挫している。