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原爆投下「報復」も言及 田母神氏、特派員協会で '08/12/2

 歴史認識に関する政府見解を否定する論文を発表して更迭された田母神俊雄たもがみ・としお前航空幕僚長(60)が一日、都内の日本外国特派員協会で講演した。質疑で英メディアの記者から「一九四五年の時点で日本が原子爆弾を保有し、軍の指揮官だったら使用したか」と問われた田母神氏は「(米国に)やられれば、やるんじゃないかなと思う」と答え、「核を持つ意思を示しただけで抑止力は高まる」とも主張した。

 日本は唯一の被爆国として非核三原則を堅持しているだけに、前空自トップの田母神氏が核武装を求め、仮定の話とはいえ、核による「報復」にまで言及したことは、新たな波紋を広げそうだ。

 講演で田母神氏は、植民地支配に関する歴史認識や集団的自衛権の行使容認、憲法改正を求める持論をあらためて展開。

 質疑で「多くの歴史家が積み上げてきた史実よりも(主張の根拠とされる)数冊の本が正しいと思った理由は」と尋ねられると、田母神氏は「(戦争の)勝者にとって都合の良い歴史がつくられてきた」と反論。「自衛隊が強くなると日本は必ずまた侵略を始めるという間違った歴史観が根底にあるため、自衛隊を普通に使う国になれない」などと主張した。

 講演には欧米とアジア約十カ国のメディアが出席したが、中国メディアは不参加だった。




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