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◆地球温暖化懐疑論って何?
なるほドリ 今年の冬は少し暖かくなりそうって聞いたけど、地球温暖化の影響なの?
記者 気候は毎年変動しています。その年が暖かいからといってすぐに温暖化とは言えません。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が指摘しているのは、過去100年間に0・74度気温が上昇し、20世紀後半の気温上昇の主な原因は人間の活動に伴う二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの増加による可能性がかなり高いということです。
Q ふうん。でも、温暖化を疑う本がたくさん出ているね。
A 「そもそも温暖化は起きていない」という主張から、「温暖化の原因はCO2ではなく、太陽活動や宇宙線などの影響」「CO2は人間活動ではなく、自然に増えている」などがあります。さらに「温暖化による被害を強調することで、特定の国や業界が利益を得ようとしている」との謀略説もあります。
Q 本は売れているの?
A 昨年2月に出版された「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(洋泉社)は温暖化報道は誤報が多いと批判し、「京都議定書ぐらいでは地球温暖化を防げない」などと指摘しました。パート3まで計約50万部が出版されたそうです。
Q すごいね。
A 洋泉社は「ごみの分別や省エネなど地球環境に良いことをするよう、政府に協力させられているという潜在的な不満が人々にあったからでは」と分析しています。今年は北海道洞爺湖サミットが開かれ、地球温暖化への関心がこれまでになく高まっているので、似たようなテーマの本が次々と出版されました。
Q 温暖化対策は何に基づいているの?
A 温暖化防止のため、1日にポーランドで始まった国連の会議はIPCCの報告書に基づいて議論しています。IPCCは世界中の約4000人の科学者が協力、科学的なデータを最大限利用し、複数のシナリオで温暖化を予測しています。一方、懐疑論には同様の規模で科学的に研究したものはありません。気候には未解明の部分がたくさんあります。その中から、一番確からしいことを選び、被害対策に各国が合意し、取り組むことが必要ではないでしょうか。(科学環境部)
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毎日新聞 2008年12月2日 東京朝刊
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