旧ソ連のトルクメニスタン。豊富な天然ガスを背景に経済的には安定していますが、閉鎖的な独裁体制が続き、「中央アジアの北朝鮮」とも言われています。この国にJNNのカメラが入りました。
トルクメニスタンの首都アシガバード。街の至る所に2年前に亡くなったニヤゾフ前大統領の黄金の像が建っています。
1990年の独立と同時に、大統領に就任したニヤゾフ氏は、その後16年にわたって独裁体制を続け、外国からの文化の流入を制限してきました。
アシガバードの市場に来ています。たくさんの買い物客が来ていますが、インタビューは一切禁止されています。パンが1つ10円から40円、卵は1個1円と、信じられない値段で売られています。
労働者の平均収入は月1万3000円ほどですが、光熱費は無料、アパートの家賃は年400円など、別世界のような物価のおかげで市民の表情にもゆとりがうかがえます。
去年9月、大統領の「開放政策」の一環として世界言語大学に日本語科が新設されました。
「将来、大学を卒業して通訳か翻訳家になりたい」(学生)
新大統領が就任してからも、国民への情報の開示は遅々としています。
「なんの制限もないと思います。完全に自由に見られます」(インターネットカフェの利用客)
政府はインターネットの自由化を表明していますが、個人の自宅で使うには政府の許可が必要で、一般市民に定着しているとはとても言えません。
市民生活の安定と引き換えに続く情報の統制、トルクメニスタンが世界に向けて大きく窓を開くには、まだ時間がかかりそうです。(01日09:27)