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平野貴也 スポーツナビ

行き場を失った拳(1/2)
WBA世界フライ級王座戦「パーラvs坂田」

2005年09月20日

雪辱戦でまたも僅差の判定負けを喫した坂田
雪辱戦でまたも僅差の判定負けを喫した坂田【 スポーツナビ 】


■消え落ちた勝利

 試合終了と同時に突き上げた拳は、間もなく行き場を失った。「一体、何が足りないというのか」――1年3カ月を経たリマッチで、再びマジョリティ・デシジョン(0−2)の判定負けを言い渡された坂田陣営は、だれもがそんな顔をしていた。9月19日、WBA(世界ボクシング協会)フライ級3位の坂田健史(協栄)は、同級王者のロレンソ・パーラ(ベネズエラ)に挑んだが、2004年6月の初挑戦に続いて今回も僅差の判定で敗れた。
 判定は、今回も際どかった。前回同様、前半はパーラが有効打でポイントを稼いだが、中盤はスタミナに勝る坂田が手数で巻き返した。そして終盤は、パーラが逃げ坂田が追うも捕まえきれないという展開。どちらに転んでもおかしくない試合で、2度目とも勝利を手にしたのはパーラだった。今回の対戦で雪辱を期していた坂田陣営がやり切れない思いを隠せないのは、当然のことだった。


■「勇気の一歩」も届かず

王者パーラをロープに追い詰めた坂田が、左フックを直撃 王者パーラをロープに追い詰めた坂田が、左フックを直撃【 スポーツナビ 】
 坂田は試合後、「持てる力は出した」と言い切った。肉体面もさることながら、精神面で見る者が感じる以上の“勇気の一歩”があった。前回の対戦で坂田のあごを砕いたパーラは、試合前から「あごを攻めれば恐怖を感じるだろう」と心理戦を展開。事実、4ラウンドにやや大ぶりな右フックを坂田のあごへと豪快に飛ばした姿は、まさに脅しともとれるようなものだった。坂田は試合後、恐怖心があったことを認めている。
「怖さはありますよ。パンチも強いし、前回のこと(相手のパンチであごを骨折)がまったくよぎらないということは、ない。記憶は消えない」
 しかし、前へと攻める姿勢は最後まで崩さなかった。襲い掛かるパーラの鋭い強打と恐怖心を、信念で跳ね除けた。あと一歩届かなかった夢をつかむために上がったリングで恐怖心の向こう側へと突き進んだ。「恐怖心で今までやってきたことを出せないようでは、これまでの練習が無駄になると思った。勇気を出しました……」――しかし、手が届いたはずの“勝利”の2文字は、残酷にも見えない谷底へと消え落ちた。


■坂田陣営の不満と批判

判定に不満を示した金平会長(左) 判定に不満を示した金平会長(左)【 スポーツナビ 】
 勝負に「たら、れば」は禁句だが、坂田に足りなかったものは何か、と考えないわけにはいかないだろう。ボクシングの判定が疑問を呼ぶことは珍しくない。接戦は、往々にして“見方一つ”の世界だ。

 試合後の控え室で坂田陣営が不満を表したのは、特に終盤2ラウンドの採点だった。パーラは後半、クリンチ際で時間稼ぎのホールドを繰り出し、11ラウンドにはローブローの反則で1点減点された。接戦での減点1は大きい。金平桂一郎・協栄ジム会長は、採点表を手に「終盤のラウンドで逆転したと思っていた。最後の12ラウンドの判定が割れているのはおかしい(三者三様)。このラウンドが坂田のポイントと判定されていれば(1−1の)引き分け。最悪でもドロー。いくつか(判定結果に)納得がいかないラウンドがある」とWBAへの提訴も辞さない構えを見せた。
 前回は序盤にあごの骨を折られる苦境に追い込まれたが、今回は大きなハンデを背負わずに反撃へ移ることができたため、なおさら逆転の実感は強かった。坂田は試合後「前回と同じで勝ったと思った。負けと聞いて、ちょっと信じられなかった。今日は試合中にけがをしなかったし、先生(大竹重幸トレーナー)の声も聞こえていた」と話している。

 また、採点とは別の批判も聞こえた。金平会長は「逃げは一流だね。別の競技みたいだもの」と痛烈に無敗王者の防衛を皮肉り、大竹トレーナーは「下がりながら触るだけのパンチでポイントを取られている」と憤慨した。いずれも、クリンチとホールドで坂田の攻撃から逃げ続けたパーラの終盤の戦い方を指したものだった。

<続く>



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