【東京】民主党の前原誠司副代表は二十七日、沖縄タイムス社の取材に応じ、米軍普天間飛行場の移設計画について、米オバマ次期政権の外交・防衛政策スタッフと六月の訪米時に意見交換し、実現は困難との認識で一致していたことを明らかにした。

　前原氏は日米国会議員会議（団長・中山太郎衆院議員）の一員として訪米。オバマ氏の「外交・安全保障チーム」の国防、外交の担当者と個別に面談した。両担当者は、オバマ氏が大統領選勝利後に発足させた「政権移行チーム」のメンバーに入っているという。

　前原氏は両スタッフとの意見交換について、「選挙戦のさなかでの議論で、選挙が終わった今ならニュアンスは違ったかもしれない。ただ、本音として難しいという考えはあるだろう」と説明した。

　前原氏によると、両スタッフとも普天間飛行場の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への移設について「難しいのではないか。環境面や工期の長さなど、高いハードルがある」と実現に懐疑的な見方を示していたという。また、「（一九九六年の）ＳＡＣＯ（日米特別行動委員会）合意から時間がかかりすぎている」とも指摘。さらに、在沖米海兵隊八千人と家族九千人のグアム移転についても、「慎重な配慮が必要だ」との見方を示したという。

　前原氏は普天間移設について「自分も難しいと思う。環境面、費用、期間を考えると、米政権交代を機にあらためて議論する必要がある」と指摘。その上で、「普天間は『代替施設なき返還』とするべきだ。在沖米海兵隊も司令部要員ではなく、ローテーション部隊がグアムに移転されるべきだ」と主張した。