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在外国民への投票権付与、今年の大統領選は難しい?

 憲法裁判所が、韓国国外に居住する韓国国籍保有者(在外国民)の参政権制限を憲法違反とする決定を下したが、在外国民は果たして、今年末の大統領選で投票権を行使できるだろうか。憲法裁は28日の決定文で、投票権を付与する対象や時期については国会に一任することとした。今後は国会が各政党間の協議を通じ、この問題について結論を下していくことになった。この問題は今回初めて出てきたものではない。現在、国会の行政自治委員会には、在外国民への選挙権付与に関する条項を含む7件の公職選挙法改正案が提出されている。このうち、主に中央選挙管理委員会が提出した改正案、野党ハンナラ党が事実上の党の意見としている金起炫(キム・ギヒョン)議員の改正案、与党ヨルリン・ウリ党の金星坤(キム・ソンゴン)議員の改正案について、活発な議論が展開されている状況だ。

 行政自治委員会では28日、憲法裁の決定に合わせるかのように、公選法改正案に関する法案審査小委員会を開いたが、合意点を見出すことはできなかった。各政党の主張の隔たりがあまりにも大きかったためだ。ハンナラ党は「今年の大統領選から、短期滞在者と永住権保持者に対して一斉に投票権を付与」するよう主張しているが、これに対しウリ党と中道統合民主党は「短期滞在者には今年の大統領選から、永住権保持者には来年4月の総選挙から投票権を付与」するよう主張した。各党の主張にはそれぞれ一理ある。ハンナラ党は「投票権を付与することにした以上、一度に解決を図ったほうが良い」と主張し、一方ウリ党と中道統合民主党は「永住権保持者は違法な選挙についての認識が薄い可能性があり、選管の準備期間も必要となるため、2段階に分けて行うべきだ」と主張している。また中央選管の案では、6カ月程度の準備期間が必要だが、国会の決定さえ出ればその期間の短縮も可能だ、という立場を取っている。

 このため、今年の大統領選で短期滞在者、永住権保持者を問わず投票権を付与するためには、「できるだけ早い時期」に公選法を国会で可決・成立させなければならない。6月の臨時国会の会期は7月3日までとなっているが、残された期間内に行政自治委員会の小委員会開催は予定されておらず、全体会議が1回予定されているに過ぎない。したがって臨時国会で公選法改正案の通過を図るのは困難だ。今年末の大統領選で在外国民に投票権を与えるとなれば、少なくとも8月以前に公選法改正案の成立を図る必要がある。

 現在のところ、政党の立場の違いは票の計算と密接な関係がある。表向きには憲法裁の決定を歓迎しているが、胸の内では「(投票権付与の対象・時期が)どの政党に有利か」ということが判断の理由に挙げられている。投票権を有する在外国民は現在210万人と推定されている。これは大統領選で当落ラインに大きな影響を与え得る。2002年の大統領選では57万票差、1997年の大統領選では39万票差で1位と2位が明暗を分けている。

 結局、ハンナラ党にせよ与党側勢力にせよ、在外国民への投票権付与が自らの党に有利だと判断する前に、国会の場で立場を変えることは難しいのでないかと予想する声が多く出ている。仮に7月中にもう一度臨時国会が開かれたとしても、事態が急展開して合意に至るようなことでもない限り、今年末の大統領選から在外国民に投票権を付与するのは容易ではないというわけだ。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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