「愛育安全相互自動車学校」が事業停止、事後処理を弁護士に一任
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11月28日(金) 14時05分
文:東 写真:糸田 |
破産申し立ての見通し。
「愛育安全相互自動車学校」(本社・札幌、安田克昭社長)は、22日に事業を停止し、事後処理を前田尚一弁護士に一任した。東京商工リサーチ北海道支社によると、昨年11月時点での負債は約2億8,400万円。
同社は1970年1月創業、76年11月設立の自動車教習所。「愛育朝日綜合自動車学校」(同、同)、「愛育市民自動車学校」(同、同)、オートバイ販売の「陸王」(同、同)、自動車部品販売の「ダイリン」(同、同)で安全相互グループを形成している。
石狩市内に札幌運転免許試験場と同規格の道内最大級自社コースを有し、ピークの2000年11月期には売上高5億2,700万円を計上、札幌市内で著名な自動車教習所として知られた。
しかし、近年は少子化による生徒数の減少、同業との競合が激化した。教習時間の延長や入学金値下げなどにより生徒の確保に努めたが、歯止めが掛からなかった。11月末の決済資金にめどが立たなくなり、21日までに従業員全員を解雇、翌日に事業を停止して継続を断念した。
そのため、教習中の教習生に対する対応や受講料の返金問題などは解決していない。
同社は代理人の前田弁護士名で27日、「教習生各位 御報告」を通知した。
通知文では「安全相互グループ各社は、前社長が経営していた時期に経営が著しく悪化しており、前社長一派を解任・解雇のうえ、緊急に10月7日現社長が代表取締役に就任し、今後の資金繰りを試みておりました。しかし、時既に遅く、このまま業務を継続していくには難しい状態になっておりました」と破綻原因を説明。
教習の再開については、今回の事態に陥る以前から別の教習所に教習生の引き受けを依頼、条件折衝の前提として、一定期間のコース利用を確保するため、土地所有者に利用の検討を打診していたことを明らかにしている。
しかし、土地所有者は同社が破産手続開始決定を受け、破産管財人の選定後、直接破産管財人と交渉する意向であり、現時点でこれ以上の交渉はできない状態にあるとし、教習再開の可能性を少しでも高めるためには、早期の破産手続開始の申し立てしかないとしている。
関連4社も前田弁護士に事後処理を一任している。
関連サイト
東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/
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