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コンテナの「墓場」と化した釜山港

政府と貨物連帯、水面下の交渉に一部進展

 貨物連帯のストライキが三日目に突入した15日、韓国のコンテナ貨物の80%を担う釜山港が事実上のマヒ状態に陥っている。

 国土海洋部によれば、15日現在、釜山港北港にある七つのコンテナ専用埠頭(ふとう)の蔵置率(港内に積まれているコンテナの比率)は86%に達した。

 政府と貨物連帯は事態解決のため14、15日と交渉を行ったが、貨物連帯側の要求事項の核心である標準料率制の導入時期と運送料交渉に対する政府支援の部分について、意見の一致が見られなかった。一方、この日初めて貨物連帯と最大の交渉相手であるコンテナ運送事業者連合会(CTCA)との間で協議が進められ、運送料の引き上げ交渉に一部進展があったことが分かった。

 韓進とセバンが利用する戡湾BICT埠頭では蔵置率が一時100%を超え、新戡湾や戡湾BGCT埠頭でも95%を突破し飽和状態にある。釜山港はコンテナ置き場が狭く、通常でも蔵置率が70%台となっている。なお、その他の主要港湾の現在の蔵置率は、仁川港が75%、平沢・唐津港が45%、光陽港が32%となっており、まだ余裕がある。

 国土海洋部は「今日、コンテナ車1万3369台が運送拒否に突入した」と発表した。これにより、12日以来の貨物連帯のストライキで、これまでに16億9000万ドル(約1828億円)相当の輸出に遅れが生じたことになる。

 現在、韓国全土の主要港湾とICD(内陸コンテナ基地)のコンテナ発出入量は、平常時の物量(6万7871TEU。1TEUは20フィートコンテナ1個)の22%に過ぎない1万4969TEUにまで急減している。忠清北道丹陽・堤川地域のセメント貨物も、運送拒否により出荷量が平常時の10%以下に落ち込んだ。また、釜山市南区戡湾洞の戡湾埠頭前でファン某さんが運転していたコンテナ車に焼酎の瓶を投げつけ車を破損した疑いでチョン某容疑者(41)に対する逮捕状が初めて請求されるなど、非組合員に対する貨物連帯側の運送妨害事件も21件発生していることが明らかになった。

 さらに、ダンプトラックやレミコン・掘削機・ブルドーザーなど建設関連車両の所有者が加入している建設機械労組は、16日から無期限ストライキに入ることを表明し、韓国全土の建設現場で工事中断という事態も発生する見込みだ。

釜山港に「暗雲」。貨物連帯のストライキ三日目となる15日、釜山港の神仙台コンテナ置き場にはコンテナが4段以上も積み重ねられている。/写真=キム・ヨンウ記者

李錫雨(イ・ソクウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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