|
徳山がMVPを受賞 佐藤は現役続行を表明 星野が引退
|
|
左からMVPの徳山昌守、技能賞の星野敬太郎、殊勲賞の佐藤修【スポーツナビ】
|
|
22日、都内のホテルで02年度の優秀選手表彰式が行われた。同表彰式の席上で、昨年10月に世界王座から陥落して以降、進退が注目されていた佐藤修(協栄)が現役続行を正式に表明した。
プロ部門で最優秀選手賞を受賞した徳山は「02年は3度の防衛、数々の賞、そして入籍とぜいたく過ぎる1年でした。03年もMVPらしい試合をして、来年もこの場に立ちたいと思います。また、私事ですが3月9日に結婚式を挙げることになりました。“結婚をすると弱くなる”と言われるようですが、彼女のためにも、いや、嫁さんのためにも頑張りたいと思います」と今後に向けての抱負を語った。
|
技能賞、年間最高試合賞を受賞した佐藤修(協栄) |
また、殊勲賞と年間最高試合賞を受賞し、現役続行を明らかにした佐藤は「(続行を決めた)大きなきっかけはなく、昨年の敗戦から徐々にじっくりと考えて、自然と生まれた答え。時期的には19日まで行っていたハワイ合宿の頃です。もう一度やるからには、世界を目指します。階級を上げることについては様子を見てからで、今後の予定もまだ未定です。これからも勇気を持って頑張りますので、応援よろしくお願いします」と再度の世界奪取を誓った。
なお、世界ボクシング協会(WBA)ミニマム級前王者の星野敬太郎(33=花形)は現役引退を表明した。「2年間、世界戦のリングで戦い、体力と精神力の限界を感じた」と話した。今後は所属の花形ジムでトレーナーとして後進の指導に当たり、プロモーターを目指す。
■徳山昌守(金沢) 「来年もこの場に立ちたい」(プロ部門MVP)
|
MVPを受賞した徳山(右)と入籍した崔仁淑さん |
遅ればせながら、皆さん、あけましておめでとうございます。昨年は3度の防衛、そして連続MVP、そして数々の賞、それと長い間婚約者として放ったらかしていた彼女との入籍を済まして、自分にとってはぜいたく過ぎる1年になりました。03年もMVPらしい模範的な試合というのは出来るかどうか分かりませんが、一戦一戦、与えられた試合を死に物狂いで戦って
、そして勝ち続けて、来年もこの場に立ちたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします。
(徳山選手、3月9日にもう一つタイトルマッチがありますよね?) あ……、はい。そうですね。個人的な話ですが、3月9日に結婚式も決まりました。よく「結婚したらダメになる」とか言われるみたいなんですが、彼女のためにも、いや、彼女じゃないですね、嫁さんのためにも、そんなことを言わせないように絶対に勝ちたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
■佐藤修(協栄) 「現役続行は自然と生まれた答え」(授賞式後のインタビュー)
|
現役続行を宣言した佐藤 |
(現役続行を決断したきっかけは?)これといった大きなきっかけはなく、昨年10月の敗戦から徐々にじっくりと考えて、自然と生まれた答えです。(敗戦から今日までどんな気持ちだった?)いろいろ葛藤もありました。(ハワイにトレーニングに行った時点では意志は固まっていた?)そうですね、大体は。向こうに行っている時期に最終的に決めた感じです。(今日は素敵な指輪をしていますね?)これは今日、いただいたものです。嬉しいです。(次はベルトですね?)ベルト、欲しいですね。もう一度やるからには世界を目指します。
(今後の予定は?)未定です。(トレーニングは?)ついこの前、1月10日から19日までハワイでキャンプをしていまして、これからジムワークを始めます。(ハワイのキャンプでは、どのようなトレーニングをした?)106キロ走りました。(階級は上げる?)これからジムワークをしながら考えます。(階級を上げるとなると、減量苦から解放される一方でパワーも増さなければいけないのでは?)それはあると思いますが、自分としてはウェイトアップよりも技術面の練習に力を入れたいです。(最後にファンへ向けてメッセージを)これからも勇気を持って全力で戦いますので、皆さん、応援よろしくお願いします。
■金平桂一郎 (協栄ジム会長) 「再起戦は世界前哨戦になる」
|
佐藤と共に年間最高試合を受賞した協栄ジムの金平会長 |
まず、僕の本音としては(再起戦を)世界ランクから落ちないうちにはやりたい。これも本人とコンディションや階級の問題も確認しつつ、いずれにしても次の試合はスーパー・バンタムのリミットを超えると思いますので、まだ確定はしていません。次に佐藤自身のコンディション。精神的にも肉体的にも良いコンディションでリングに上げたい。日程は世界ランクから落ちないぐらいで考えたい。これから、実際にいつ、どこでやるのか。そんなに長い時間を置かずに決めたい。特に期間に関しては早い時期に決めたい。そうしないと、コンディション作りが出来ないから。
(再起戦後、何試合目に世界戦をと考えていますか?)今のところ未定です。一戦やって、良ければすぐに世界を狙うし。(再起戦の相手については?)世界タイトルまで行った選手ですから、低いレベルの選手とは組めません。出来れば世界ランカークラスで見つけられればと思います。とは言っても、これまで辛い戦いをしてきているわけだから、バランスを取りますけど。ただ、再起戦は世界前哨戦になります。
■東日本ボクシング協会会長 輪島功一 「ボクシング界を盛り上げていきたい」
皆さん、本日は仕事が忙しいのか暇なのか分かりませんが、これほど(多く)の人に来ていただき、「ボクシング界はこれからだな」と思っている輪島です。輪島も(列席している受賞者たちを指して)本当はここへ座っていたいんですが(笑)、年をとるとやはり無理。だったら、そこへ座る選手を増やして、ボクシング界を盛り上げていきたいと思っています。ボクシングは素晴らしいスポーツ。やってみたいと思う人は子どもでも女性でもやってみてほしい。
今日は(壇上の上にある国旗を指して)日の丸を見て泣いた。今は、あんまり泣いていると「あいつは打たれ過ぎたんだな」と思われてしまいますが(笑)、輪島の場合は打たれてちょうどピントが合った(笑)。楽しいから、つい乗っちゃうね。調子の波に乗れる男じゃなきゃ、ダメなんですよ、皆さん(笑)! 本日はありがとうございました。
■辻本和正(王寺工業高校教員) 「これからは指導者として頑張る」(アマ部門MVP)
皆さん、どうもありがとうございます。今年でボクシングを始めて12年目で今年が確か10回目の授賞式となり、嬉しいんですが、今年で現役は引退して指導者になるので寂しい日でもあります。王寺工業(高校)教諭の指導者として新しい選手を育て、年間最優秀選手賞をもらえる選手を作るよう、頑張っていきますのでよろしくお願いします。さて、アジア大会も終わり、また今年は五輪予選の年でもあり、来年はアテネ五輪があります。自分は五輪に出場してメダルを取ることは出来ませんでしたが、これから育っていく若い選手たちが必ず五輪でメダルを取ってくれると思いますので、皆さん、これからもアマチュアボクシングの応援をよろしくお願いします。どうもありがとうございました。
■白井義男(JBC) 「正真正銘の名選手たちに拍手を」(乾杯の音頭前のあいさつ)
元拳闘選手の白井義男でございます。今日は昨年度の最優秀選手、または優秀選手がここに選ばれました。皆さん、素晴らしい顔をしております。それは昨年一年間、一生懸命やって栄誉を勝ち取ったわけで、本当に顔に満足気がございます。これこそ真剣勝負。辛いこともあったでしょうが、それを乗り越えてこの賞を得ることは何よりも価値のあることです。なぜなら、これは専門家に選ばれた賞だからです。正真正銘の名選手です。どうか、もう一度拍手をしていただきたいと思います。
どうか皆さまも心温かく、リングの上では1対1の戦いをしている選手をピンチの時に激励してほしいと思います。今後ともご声援をお願いします。どうもありがとうございます。(司会者から「乾杯の音頭を」と頼まれて)あ、乾杯の音頭を忘れました(苦笑)。今日は大変めでたい年に1度の祭典です。どうか選手ももちろん、皆さんも頑張って人生の勝利者になってほしいと思います。そのために元気よく乾杯の音頭を取らせていただきます。乾杯!
|
左から星野、佐藤、佐竹、徳山、鈴木、仲里、大之伸、小林 |
<プロ部門> |
最優秀選手賞 | | 徳山昌守(金沢) |
技能賞 | | 星野敬太郎(花形) |
殊勲賞 | | 佐藤修(協栄) |
敢闘賞 | | 佐竹政一(明石) |
努力賞 | | 鈴木悟(八王子中屋) |
KO賞 | | 仲里繁(沖縄ワールドリング) |
新鋭賞 | | 大之伸くま(福間スポーツ) |
年間最高試合 | | 佐藤修 vs ヨーダムロン・シンワンチャー |
| 協栄 金平桂一郎会長 |
特別賞 | | セレス小林(国際) |
<アマ部門> |
最優秀選手賞 | | 辻本和正(王寺工業高校教員) |
優秀選手賞 | | 村橋薫(自衛隊体育学校) |
技能賞 | | 平田直己(日本大学) |
敢闘賞 | | 深石恭夫(香川県連盟) |
努力賞 | | 内山高志(久保建設) |
新鋭賞 | | 大西寿幸(日本大学) |
|
|
|
|