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坂田「胸を張って世界へ」 中沼を僅差判定で雪辱、王座返り咲き
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雪辱に執念を見せた坂田が僅差の判定を制し、王座へ返り咲いた【スポーツナビ】 |
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ボクシングの日本フライ級タイトルマッチ10回戦は5日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者の坂田健史(協栄)が、チャンピオンのトラッシュ中沼(国際)を3−0の判定で下し、約1年ぶりに王座に返り咲いた。
坂田は1回から積極的に前に出て、ポイントをリード。終盤、中沼の左右のフックで追い詰められる場面もあったが、最後まで足を止めずに攻め、小差の判定で勝った。
【共同】
坂田が執念でベルトを取り返した。激闘を終えたリングで、アナウンサーがポイントをアナウンス。「日本フライ級……」と言ったところまで、中沼サイドは勝利を確信していた。応援団も最強の挑戦者を退けた、と沸き返る。ところがコールは「新チャンピオン」。歓声の半分は怒号へと急転した。中沼のセコンドについたセレス小林も驚きと落胆の表情を隠さない。ロープへ大きく寄りかかると、天井を見上げた。逆に坂田陣営は不安から解き放たれた。坂田は大きく両手を上げ、喜びをあらわにした。
1年前に立場が入れ替わった両者の対戦は、またも大激戦となった。試合の山場は中盤、9ラウンドに訪れた。王者・中沼が大きな左フックを放つと、坂田を直撃。よろよろと後退する挑戦者に中沼がラッシュを仕掛ける。手数の坂田、有効打の中沼というポイントのシーソーは、完全に中沼に傾いた。しかし、「効いたけど、追撃は大振りになるはず」と冷静に対処した坂田に、中沼はとどめを刺すことができなかった。
ピンチを凌いだ坂田は、無尽蔵のスタミナで反撃。試合終了のゴングが鳴る瞬間まで中沼を追った。そして、最終ラウンド。中沼はペースを握った安心感からか手が止まり、必死の形相で攻め続けた坂田が最後の1ポイントを奪取。結果、これが勝敗を分けた。判定は3−0ながら、1ポイント差が2人という僅差で坂田に軍配が上がった。
坂田は試合後、リング上で「これからは胸を張って、世界を狙う」と宣言した。坂田が胸を張れるのは、最強の相手と認める中沼を下したからこそ。初めて、そして唯一敗れた相手・中沼に勝たなければ、ベルトはもちろん、自信を取り戻すことは難しかった。1年間、雪辱を期した。そして、佐々木基樹、サーシャ・バクティンとジムメイトが王座を奪取した勢いを借り、坂田は避けて通れぬ茨の道を突き抜けた。協栄ジムはチャンピオン・カーニバルを3連勝。7月には、現役続行を宣言した前世界スーパー・バンタム王者の佐藤修も再起戦を行う。「修さんに続いて、世界王者に」世界上位ランカー同士の国内最強決定戦を制した坂田が世界へ打って出る。
■坂田 「中沼選手は最強の相手だった」(リング上マイク)
皆さん、どうもありがとうございました。この1年間は、すごく苦しくて……。今日、日本タイトルを取り返すことができて、本当にうれしいです。
――苦しかった1年が報われましたね
はい。本当にすごく強いチャンピオンで……。本当に良かったです。中沼選手は今までの対戦者の中で1番強かったです。
――中沼選手とは1年ぶりの再戦でしたが、前回と比べていかがでしたか
前回は(接近戦で打ち合って)ボクシングをすることができなかったので、同じ過ちをしないように、足を使うようにしました。
――今後の抱負を
これからは胸を張って、世界を狙っていきたいと思います。
■金平会長 「今日はボクシングで勝てた」
前回は体格で上回っている部分を(接近戦をしたために)自分から消してしまった。中沼君に負けてから、坂田は大人になった。頭を使って冷静に試合をすることができた。今日は(打ち合いではなく)ボクシングで勝てた。
■坂田 「最後のラウンドは獲りに行った」
――9ラウンド、ぐらっときたと思いますが
一瞬、効いたんですけど「この後は大振りになってくるはずだ」と思って、追撃をもらわないように気をつけました。
――地道に攻め続けた印象ですが
はい。ガードの上からでも関係なく打って行こうと思っていました。前回は(中沼選手の)固いガードに躊躇してしまった部分があったので。
――最後のラウンドは
大竹先生にも「絶対に獲って来い」と言われたし、獲りに行きました。前回の対戦では、セコンドの指示どおりに動くことができなかったというのもあったし。
――判定の結果を聞くまでの間は
不安でした。
――世界ランカー対決を制しましたが、世界挑戦は
世界を意識して、(佐藤)修さんに続いて世界王者になれるように頑張ります。
金平 9ラウンドに一発もらって効いてしまった。ああいう隙をなくせれば、世界ですね。
――会長から見て、今日の試合は何点ですか
金平 そうですね、9ラウンドにぐらついた分で20点引いて80点かな? まだ上があるからな。
――内藤(大助)選手の挑戦は受けますか
金平 今はまだ試合が終わったばかりだから。これから考えます。
――前回の対戦では、勇気を出せなかったと仰っていましたが
坂田 今回は、全部ではないかもしれないけど(出せたと思う)。
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