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「大阪の主軸を西に」 橋下知事が“新都市構想”
大阪市の第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、同市住之江区)に府庁舎の全面移転を検討している大阪府の橋下徹知事は26日、大阪の将来像について「戦略的なインフラ(社会経済基盤)の整備は絶対に必要。現在は南北の御堂筋が大阪の中心だが、主軸を西に広げたい」と述べ、WTCなどが位置するベイエリアが広がる市西部を中心とする都市構想を明らかにした。WTC移転案を推進するための具体策とみられる。
この日の定例会見で橋下知事は、大阪の活性化策について、「ムダな施設や役に立たない大型開発とは違ったインフラ整備が必要。主軸を東西に広げたい」と話し、現在は梅田−難波という南北ラインが中心となっているまちづくりの見直しを訴えた。
東西に主軸を広げる具体策として、阪神高速淀川左岸線の延伸▽京阪電鉄中之島線の延伸▽JR大阪駅北側の再開発地区「梅田北ヤード」(梅田貨物駅跡地)とJR難波駅を結ぶ鉄道の新設−などで、大阪市中心部と、関西国際空港や近隣各府県とのアクセスを充実させるプランを披露。「構想が実現すると、ベイエリアにある南港が(交通網の)結節点になる」と述べ、市西部を関西活性化の拠点とする必要性を強調した。
一方、府庁舎のWTC移転については、府議会との協議が難航するとみられるが、「耐震補強でも支出は必要」と意欲を示し、「(関西交通網の)結節点としてベイエリアが浮上してくることを議会にアピールしたい」と、ねばり強く理解を求める意向をあらためて示した。