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小泉容疑者の動機、不可解 捜査幹部「飛躍ありすぎる」(1/2ページ)

2008年11月24日12時0分

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写真麹町署を出る小泉毅容疑者(中央)=23日午前4時2分、東京都千代田区、久松弘樹撮影

 元厚生事務次官宅への連続襲撃事件は、容疑者が出頭し突然、急展開した。調べに動機を供述しているが、不可解な点が多い。社会や行政への不満といった背景は本当にないのか。ないのならなぜ、元次官を次々に狙ったのか。今後、解明しなければならない捜査項目は、多岐にわたっている。

 「ペットを殺されたからという供述もしているが、そんなことで、動機解明とはならない。飛躍がありすぎる」。ある捜査幹部はこう語った。

 これからは、ナイフに付着している血痕と被害者の血液が一致するかや、身代わりに出頭していないか、小泉容疑者の供述が現場の状況と矛盾がないかなどを確認する基礎的な捜査を徹底する必要がある。そのうえで焦点となるのが、動機や背景の解明だ。

 その際の大きな焦点は、仮にペットを処分されたことが動機の中心だったとしても、なぜ、元次官2人を標的に選んだかだ。

 ある捜査員は「こういう容疑者の場合、複合的な動機を想定した方がいい」と話す。最近、メディアに厚生労働行政への批判が出ることが多い。小泉容疑者が触発されるようなことがなかったか。自宅への徹底した家宅捜索で、同容疑者の目に触れた新聞や雑誌、テレビなどの報道を細かく洗い出す作業も進め、ペットの件の他に、犯行への引き金として、社会や行政などに対する不満が絡んでいないか、明らかにしていく方針だ。そうしなければ「飛躍」が埋められないからだ。

 元次官2人の住所、氏名をどのように調べたのかも捜査のポイントになる。小泉容疑者は4年前、近くで建設工事をしていた会社に騒音の抗議をするため、社長の自宅住所と電話番号を割り出し、バイクで乗り付けクラクションを鳴らし続けるなどの嫌がらせをしている。一般の人が通常は知り得ない住所情報などを執念深く調べあげる点が今回と共通しており、犯行に至る状況を解き明かす上で重要になるとみている。

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