───世界、日本、そして子供たちをつなぐ「道」───(2)
常に「世界」を意識して活動してきたGacktに届いた、ハリウッド映画への出演依頼。しかも監督は大河ドラマ「風林火山」での上杉謙信役を見て、来日して直接本人に交渉したという。 |
−−−前作から1年半という時間の中で、心境や考え方の変化はありましたか? ハリウッドで映画を撮影したことがとても大きかった。(※2009年公開予定。タイトルは「BUNRAKU」) 自分がソロ活動を始めたときは、一人で闘おう、一人で歩いていこうって決めて歩き始めたはずなのに、気がついたら多くの仲間がいて、助けてもらって… 自分が結局どこかで甘えていたんだなあってことにとても気付かされた。 自分で歩く意志がなかったら、結局何も手にすることもできない。 自分が一人で闘えるという意志があって、初めて結果が出てくると思う。助けてもらうことを前提に誰かがいるのと、自分が一人でやれると思っているけれども仲間がついて来て助けてくれるのでは、大きな違いがあるんだよね。 |
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周りが失敗したときに、その失敗を周りのせいにしてしまうのか、それとも全ての責任は自分にあるって思えるかどうかの強さだったり、いろいろなことで自分を見直すことができた。
5年の間で世界を獲ろうという思いを共にしてくれるスタッフと動いているから、とても楽しい。トレーニングとかとてもきついし、苦しいけれども、でも、自分たちが作ったものが、世界を獲れるのであれば何より楽しいよね。まして僕ら日本人で。 日本人って、自分たちが世界を獲る、頂点に立つなんて誰も想像していないけれども、僕は本気で世界を獲れる、頂点に立てると思っているから。 −−−常に世界を相手にしていらっしゃるGacktさんにとって、全世界羨望の的であるハリウッドに進出できたという喜びはとても大きいのではないでしょうか。 結果を出したいという気持ちはもちろんあるけれども、それ以上に「道」を作りたい。 今回ハリウッドで仕事をして思ったけれども、日本人って「自分たちは世界レベルじゃない」「世界に挑戦できる器じゃない」とか悲観的に見るけど、僕は音楽でも表現の世界でも、日本人は十分世界の舞台に立てると思う。 もちろんその壁は高いかもしれないけれど、決して越えられない壁じゃない。僕らでも十分越えられるし、十分戦える。だからこそそのきっかけとなる道を作りたい。 僕のことをバカにするんだったらそれでもかまわない。「Gacktにもできるなら俺にもできるだろう」と思ってくれればそれでいい。もっともっと多くの才能のある人たちに世界に出て欲しい。 −−−確かに「世界を相手にするなんて」とつい思ってしまう、日本人のコンプレックスは存在します。 やっぱり日本って鎖国された国なんだ、島国なんだって感じるんだよね(笑) でも、才能は全ての人には平等に与えられていないから、持っている人はなおさらその持っているものを有効に使って、夢を与えていかないと。そうでないといい子供たちが育たない。 みんな多かれ少なかれ「できない」ってすぐに思う癖ってあると思うんだよ。でもその癖はあくまでも癖なんだよね。本当にできないわけじゃない。 もったいないよ。可能性はあるのに、できないと思いこんでしまったせいで、自分に咲いた花すらつんでしまう。そんな淋しいことないよ。それでは子供に夢を与えられないよ。 今の日本って夢がなさ過ぎる。だから変なことが起きる。”大人になっても何のプラスもならない”ということばかりだったら、誰だって大人になんかなりたくないって思うよね。 少年犯罪とか子供の事件が多いのは、子供のせいではなく僕ら大人が悪い環境を作っているから。一人でも多くの大人が、子供たちに夢を与えていくことが僕ら大人の使命だと思うんだよね。夢が成長の原動力なんだからさ。 |
Gacktニューシングル 「Jesus」 2008年12月3日リリース
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取材・文/有本和貴(BIGLOBE STARS編集長)
※文中敬称略