───世界、日本、そして子供たちをつなぐ「道」───
Gacktの28枚目のニューシングル「Jesus」が、12月3日にリリースされる。前作「RETURNER〜闇の終焉〜」とうって変わった、ストレートで”突き刺さる”ロック・サウンドが鮮烈だ。 |
−−−前作「RETURNER〜闇の終焉〜」とは全く異なった世界を感じました。 背景になっているテーマが違うからね。前までは「MOON」という物語が基軸だったけど、今回の「Jesus」からは「Requiem et Reminiscence」という物語を基軸に曲を構成しているから、根本的に曲の作り方やアプローチも変えているんだよね。 退廃的、破壊的、攻撃的、刹那的、といったキーワードが並ぶくらい、痛い音が中心。バンドサウンドを追究していくと、よりストレートな痛い音になるんだ。ストリングスを入れると丸くなっちゃうから、どんどん省いた。 −−−PVも衝撃的でした。 自分の犯した罪に耐えられなくて、周りの死に神に魂取られて最終的には、自分の頭を撃ち抜いてしまう。なんで彼がそんな行為に走ってしまったかと言うと、因果応報なんだよね。多くの罪を犯してしまった自分の罪に耐えきれなくて、最終的には死に神の囁きに乗ってしまう。つまり、見ている人は見ているぞ、ということ。 |
神に救いを求めている曲ではないく、神に聞いているんだよね。本当にお前はそこに存在しているのか、と。
メッセージはストレートだし、痛い曲になっているから、正直シングルに向いていないとも思うんだけど、問いかけているんだよね。このおかしな時代の中で狂っているのは僕か、それともお前らか、って。 −−−直球勝負というか、突き刺さる感じでした。 そうだね。激しいよね。特に今の日本は全部ぬるい方向に行っているから。ロックやっている人間はいるのに、なんでこんなにぬるい曲が多いんだろうと。日本人がぬるくなっているのかな?じゃあ今回は激しくいっとくか、みたいな(笑) 僕は幸い自分の思った音楽を表現できるから、自分がやりたくない音楽はやらないし、やりたい音だけを追究していきたいと思っている。音楽シーンを見て、「なんかいけてないな」と思ったら、今回のような激しい音で喝を入れて、暴れたくなるよね。 −−−まもなく3年ぶりのツアーが始まります。楽しみにしているファンの皆さんに一言いただけますか。 みんなの心を撃ち抜いてやる!(笑) 知らないぞ、虜になっても。惚れるなよ、風邪引くぞってところかな(笑) −−−前回のツアーでは東京ドームでの乗馬というしかけがありましたが、今回はどんなことを考えていらっしゃいますか? 「こんな大きなことをやるよ」ということを考えているわけではないんだけれども、少なくとも僕のコンサート見に来たら、他の人のコンサートは見に行けなくなるよ。 僕のコンサートは、ただのロックではなくて、ロックというものをエンターテインメントっていう域までもっていった、世界で唯一のショーだからね。 それをコンサートだっていう認識で見てしまったら、他のコンサートはあまりにもつまらなく見えてしまうよ。かけているお金も時間も全然違うわけだから。 −−−昨年アップルストアでのGacktさんのイベント(※)を取材したのですが、コンサートを何より大切にされている思いが強く伝わってきました。 だって、ファンのみんながいるから、ここまでやってこれたわけで。僕の生き甲斐って何?って言ったら、「みんなの喜ぶ顔を見たい」という、本当にその一言に尽きるんだよね。その笑顔に触れることが僕の人生の原動力になっている。 僕はステージで何かを作り何かを表現することが仕事。それによって、立ち止まっていた足が一歩前に踏み出すきっかけになったり、流れていた涙が微笑みに変わったり、見えなかったものが見えるようになったり…コンサートに来た人たちを変えるいろいろな可能性を持っている。それに携われる幸せがある。 これって、ステージに立っている人でさえ、全員ができるわけじゃないと思う。だから自分の今置かれている仕事は使命だと思ってやっている。使命と思っているからこそ、命懸けでやっている。で、やるからには見に来た一人でも多くの心を、感動という波で揺さぶりたいよね。 |
» Gacktが日本人に切り開こうとした「道」とは
※昨年10月のアップルストアでのイベントの模様はこちら>>
Gacktニューシングル 「Jesus」 2008年12月3日リリース
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取材・文/有本和貴(BIGLOBE STARS編集長)
※文中敬称略