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韓国現代史:10の問いとその答え(上)

韓培浩(ハン・ベホ)元高麗大教授
 研究者らは最近、現代史であればあるほど、なかなか評価を下さないという。そのため「後世の歴史家に任せる」という言葉も流行している。しかし、政治学を専攻する韓培浩(ハン・べホ)元高麗大政治外交学科教授(77)の新しい研究書『自由を目指した20世紀韓国政治史』(一潮閣)は、全く異なる。どんな項目であっても、言いよどむことはない。同書において、韓元教授は韓国の現代政治に「10問の根本的な質問」を投げかけ、答えを導き出した。

(1)植民地統治は何を残したのか?

 日本による植民地支配は、韓国に暴力的権威主義と階級的官僚主義の弊害をもたらした。日帝の近代化開発は、朝鮮人のためのものではなかった。朝鮮人の分裂を画策した日帝の統治方式は反目と不信という遺産を残し、深刻な理念対立の種をもまいた。

(2)38度線はなぜ引かれたのか?

 日本の敗北で極東地域に力の空白が生じたことに伴い、これを埋めようとする米ソ間の対立の中から、一つの妥協策として38度線が生まれた。それは、当時のルーズベルト米大統領や米国政府の朝鮮に対する無関心、安易な対ソ政策の産物だった。反面、スターリンは韓半島(朝鮮半島)の戦略的価値を極めてよく認識していた。

(3)解放政局によって、何を得て何を失ったのか?

 解放直後の政局は、韓半島の分断と戦争をもたらした。しかし当時、李承晩(イ・スンマン)大統領が米ソの対立の中で最も実現性が高いとみられる「南側の単独政府案」を追及し成功させたという点は、評価されるべきだ。

(4)6・25戦争はなぜ起こったのか?

 最近公開された旧ソ連・中国側の資料は、6・25戦争(朝鮮戦争)が「金日成(キム・イルソン)が計画し、ソ連と中国の支援を得て南侵を敢行したことで起きた戦争」だということをはっきりと示した。それは武力による「侵略戦争」で、スターリンと毛沢東は韓半島を共産化し、アジアでの戦略的地位を確保しようとした。

(5)1960年の4・19革命は誰が、なぜ起こしたのか?  

 高等教育によって育まれた学生たちの道徳的基準は、為政者の政治行為とあまりにもかけ離れ、教育と身分の不一致から生じる挫折感も大きかった。ここで、義憤を感じた学生らが街頭に飛び出した。背後勢力が扇動したり、新たな支配体制に変えようとしたわけではない。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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