ミサイル防衛(MD)を担う海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」搭載の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が標的の迎撃に失敗した問題で、防衛省は20日、米製弾頭の自動誘導機能に問題が発生した可能性があることを明らかにした。同種試験は昨年、海自が初成功させるなど日米計16回実施されたが、失敗は4回目。5年前に米軍によく似た失敗があり、防衛省は米軍と共同で原因を調べる。
防衛省によると、米海軍が発射した標的のミサイルをハワイ沖のちょうかいが探知し、3分後に発射されたSM3は大気圏外まで順調に誘導されたが、着弾数秒前、SM3本体から分離した弾頭が、赤外線センサーにより自動制御中に標的を見失った。
省内では、斎藤隆・統合幕僚長が個人的見解として「システム全体では許容範囲」と説明するなど、MD計画全体への影響は少ないという見方が強い。
試験費用は約62億円だが、ちょうかいの改造費やミサイル代金を含む総費用は約321億円。来年度以降、別の2隻のイージス艦の同種試験も予定されている。【本多健】
毎日新聞 2008年11月21日 1時23分
11月21日 | イージス艦:迎撃実験失敗 弾頭誘導機能に問題発生か |
11月20日 | イージス艦:迎撃ミサイルSM3の発射試験に失敗 |