【東京】政府が二〇〇九年度予算で予定している米軍普天間飛行場代替施設建設の本格着工にかかわる新規契約経費を、一〇年度への先送りも含めて検討していることが二十一日、分かった。普天間代替施設の建設をめぐっては、環境影響評価（アセスメント）手続きが予定より約八カ月遅れる見通しだが、防衛省はアセス手続き短縮も視野に予算要求した。しかし、〇九年度は在沖米海兵隊グアム移転事業が本格化することもあり、厳しい予算編成が予想されている。

　ただ、政府は米国と合意した米軍再編のロードマップ（工程表）で定めた一四年の代替施設完成は、工期を短縮するなどして堅持する方針だ。

　政府がこれまでに示した工程表によると、代替施設建設の着手時期は一〇年一月。しかし、政府関係者によると、年度後半に差し掛かるため、一〇年四月以降に先送りする考えもあるという。

　普天間移設をめぐって防衛省は、〇九年度予算要求でキャンプ・シュワブ沿岸部の埋め立てや周辺の造成工事の新規契約費などで、二百億―三百億円（契約ベース）を求めている。

　〇九年度予算案には、在沖米海兵隊のグアム移転に関し、日本が直接的に財政支援する司令部庁舎の整備、民活事業による家族住宅、インフラ整備事業なども本格的に始まる。

　このため、米軍再編全体に一千億円弱を盛り込む方向で、防衛省と財務省が折衝中。〇八年度予算の再編経費は百九十一億円で、来年度は大幅増となる。

　財務省は今後、予算削減を強く求めてくるとみられており、普天間移設に関する予算折衝は、予算原案がまとまる十二月下旬までもつれそうだ。