「推測だけで誤解される前に明らかにした方がいいと思いました。多くの人たちがわたしたちに子供がいないことを気にしていました。韓国もそうですが、日本では少子化が大きな問題です。国全体がどのようにすれば子供を産もうとする雰囲気になるか悩んでいます。経済的に余裕があっても子供がなくて悩んでいる人たちもいるし、自分も何かできることはないか考えています。今夫は“美しい国、日本”をつくるために教育改革に力を入れています。わたしは首相夫人になってから福祉施設などを訪問しましたが、美しくない部分もありました。特に子供たちが虐待される問題などに実際に触れて、何かしなければならないと考えてきました。将来を支える子供たちが大切にされないのは悲しいことです」

―安倍首相に政治のアドバイスもするのか。

　「政治家の妻として政治に関心はありますが政策のアドバイスはしません。福祉施設に通いながら日本に何が足りないのかという問題意識を持っています。“今日行ったところではこんな意見もあった”と夫に報告しています」

―最近首相官邸に各国の大使夫人を招待して、めぐみさん拉致事件を扱った映画を見せたが反応はどうだったか。

　「今年に入って5回に分けて100カ国からの大使夫人が来てくれました。多くの方々はその映画を見て共感し、悲しみを感じたと言ってくれました。拉致問題に関心のなかった方たちも拉致の実態を知って“何かできることをしたい”と言ってくれました」

―最近見た映画で印象に残っているのは。

　「韓国映画『王の男』がおもしろかったです。夫が首相になる前は『オールウェイズ』を2回見ました。1950年代の日本の貧しかった時代の人情を描いた映画ですが、その頃を思い出して涙が出ました」

―安倍首相が官房長官に就任する直前の2005年9月末にソウルでパク・ヨンハとゴルフをしたらしいが。

　「誰から聞いたんですか。韓流をめぐり自分についての報道がいくつも出ていますが、その中には正しいのもあるし間違っているものもあります。パク・ヨンハさんの写真を携帯電話の待ち受け画面にしたことはありますが、ヨン様が東京に来た時に夫を誘って同じホテルに泊まったという話は間違いです。今後は確認して書いて下さい」

東京=鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)特派員