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<足立監禁殺人>被害者の母「裁判終わらせて」

11月19日15時4分配信 毎日新聞


 東京都足立区の新聞販売店従業員寮で04年、段ボール箱の中から小出亜紀子さん(当時24歳)の遺体が見つかった殺人事件を巡り、警視庁の捜査怠慢を認めて東京都などに2000万円の賠償を命じた東京地裁判決(7日)の控訴期限が21日に迫っている。小出さんの母親(53)は「警視庁側は控訴せず判決を受け入れてほしい」と強く願っている。

 話し好きで明るかった長女の「アッコ」。母親は「おばあちゃんが大好きで、敬老の日には率先してプレゼントを考えた優しい娘でした」と話す。保険会社の仕事が決まり新しい生活のスタートを切った時に、突然行方が分からなくなった。

 母親は03年12月20日、警視庁多摩中央署に捜索願を提出。トラブルがあった加害者の名前や電話番号を伝え、写真も渡したが、捜査は行われなかった。亜紀子さんが他人の携帯電話で連絡してきたのは翌年1月5日。「2万円を持ってきて」と求められたが、本人は待ち合わせ場所に現れなかった。

 脅迫されていると思った母親は「電話の持ち主を調べてほしい」と頼んだが、同署は応じなかった。「『たかが2万円でしょう。何百万円だったら署長に頼んで調べてもらえる』と言われました。金額の違いで人を捜すのでしょうか」と悔しさをにじませる。

 裁判で警視庁側は「両親らの緊張感に欠けた態度で危険を認識できなかった」と主張したが、母親は「切迫していなければ警察に行かない。警察が動いてくれれば……」と言葉を詰まらせる。判決は「果たすべき責務を果たさなかった」と警視庁側の主張を一蹴(いっしゅう)し「捜査していれば死亡前に発見できた可能性が高い」と指摘した。

 勝訴しても母親の傷が癒えることはない。「(暴行でできた)顔のあざを思い出してしまうので元気なころの写真も見られない。同じ年の友人には子供ができて、生きていれば娘もそういう年ごろだったんだと考えます」。判決後には墓前で「裁判に勝ったよ」と伝えた。今は法廷の闘いが終わることを祈っている。【銭場裕司】

 ◇小出亜紀子さん殺人事件

 元朝日新聞販売店従業員の本間直人受刑者(28)と当時19歳だった交際相手の女(24)が知人の小出さんから金を巻き上げようとしたがうまくいかず、約1カ月間監禁して暴行。04年1月20日に凍死させた。本間受刑者と女は殺人罪などに問われ懲役13年が確定した。

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最終更新:11月19日15時4分

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