韓国人のありがちな名前って何?
時代を反映する人気の名前ランキング
過去60年間のあいだに韓国でもっとも多い名前は、男性では「ヨンス→ジョンフン→ミンジュン」、女性では「ヨンジャ→ミヨン→ソヨン」に変わった。
朝鮮日報は最高裁判所に依頼し、1945年と1975年、2005年に生まれた各世代の名前を分析し、男女別に多い名前を10位まで集計した。
この資料によると、男女を問わず、前の世代で人気が高かった名前が次の世代のランキングに残っているケースは1件もなかった。名前も世相を反映し、流行に影響されることがよくわかる。
姓名学の専門家は、名前には時代背景が色濃く反映されていると話す。「解放(韓国の独立)元年生まれ」である45年生まれは、男性はヨンス、ヨンホ、ヨンシクなど、「永(ヨン)」が含まれる名前が多かった。
民間の姓名学専門家でもあるソウル瑞草2洞のイ・ドンウ 洞長(町長)は「子どもに長生きしてほしいという親の願いが込められている」と分析した。イ洞長は成均館大の儒学大学院で易学を学び、瑞草区庁戸籍係長時代から8年間に2500人に名前をつけた命名専門家だ。実際に当時の韓国人男性の平均寿命は、各種の疾病や徴用などにより約35才にとどまっていた。
女性の場合はヨンジャ、チョンジャ、スンジャなど後ろに「子(ジャ)」をつける日本式の名前が多くをしめた。女性の名前の上位10位以内で「子」がつかない名前は「チョンスン」(9位)だけだった。この当時もまだ日帝時代の影響が大きかったのだ。当時は息子を好む風潮が深刻で、生まれた子が娘だった悔しさを紛らわす意味を込めて「子(単独では息子の意を持つ)」を付けたことも多かったという見方もある。
「解放元年生まれ」が親となった1975年には、男子の名前はジョンフン、ソンホ、ソンフン、ソンジン、ジョンホなど「成(ソン)」や「勳(フン)」を含む名前が多かった。高度成長期を迎え、徐々に貧困を抜け出し始めたことで、息子の名前に成功や出世への望みを込める親が多かった。
一方、同世代の女子の名前はそれまでの「~子」が姿を消し、ミヨン、ウンジョン、ウンジュ、ウニョン、ヒョンジュといった女性らしく洗練された名前が人気を呼んだ。しかし目立つ名前よりも無難な名前が好まれた。
最後に、2005年生まれの名前を見ると、「中性的な感覚」がトレンドであることがわかる。例えば、「ジウォン」 「スミン」のように名前からは男女の区別がつかない名前に人気が集まっている。よくつけられる名前も男性用と女性用がはっきり分かれていた過去とはまったく異なっている。
姓名学博士の東国大生涯教育院のキム・ドンワン教授はこうした傾向について「女性の地位向上の産物」と解説した。キム教授は「女性の社会活動が活発となり、娘が成長して社会活動をすることを念頭に置いて中性的な名前を望む親が増えている」と話す。イ・ドンウ洞長も「最近は一人っ子が多く、親たちにとって子どもの男女の区別は意味がないようだ」と話した。
一人っ子の家庭が増え、親兄弟と同じ字を入れた命名を気にする人も少なくなり、漢字の意味よりも、発音の馴染みやすい名前が順位を上げている。
無難さを好んだ過去の世代とは違い、ありふれた名前を避ける風潮も強い。これは特に女性の名前に当てはまる。1945年の「ヨンジャ」や75年の「ミヨン」は当時それぞれ約1万人もいたが、2005年に1位を記録した「ソヨン」は3006人に過ぎなかった。
イ・ギルソン記者
チェ・ギュミン記者
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