【メキシコ市・庭田学】キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(82)は14日、論評を発表し、オバマ次期米大統領について「世界が変わると信じるのはまったく無邪気なことだ」と述べ、現時点では米国の政権交代に過大な期待を抱くべきではないと指摘した。米大統領選後、カストロ氏がオバマ氏について言及したのは初めて。
カストロ氏は「(米国が)より寛容になり、より好戦的でなくなるだろうと多くの人が夢を抱いている」とし、「現在の指導者(ブッシュ大統領)に対する軽蔑(けいべつ)が、変革への幻想を抱かせている」と分析した。
一方、「何世紀にもおよぶ利害とエゴがつくり出してきたものを一人の頭脳明晰(めいせき)な人物の善意によって変えられると信じるのは無邪気なことだ。人類の歴史は反対の結果を示している」と指摘した。
毎日新聞 2008年11月15日 19時20分