これがClower, "The Keynesian Counterrevolution"(1965)の説明である。私の学生のころには、これに端を発したBarro-Grossmanなどの「一般不均衡理論」が流行したが、しばらくするとLucasの合理的期待論のほうが優勢になり、Barroも不均衡理論を放棄してしまった。その理由は、こうしたモデルでは不均衡状態が長期にわたって続く理由を説明できないことだ。スーパーは短期的には数量調整しても、売れ残りが出たら翌日は価格を下げるだろうし、求人倍率が下がったら賃金も下がるので、長期ではワルラス的な均衡が成立する。不均衡がナッシュ均衡になるcoordination failureも起こるが、マイナーな撹乱だ。
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