賢介 マウスピースで背骨改善
建山に変化球の投げ方を質問する田中
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日本ハムの田中賢介内野手(27)が13日夜から特注マウスピースを使用し、背骨の矯正に乗り出した。直線的な背骨を持つ田中はこれまで首痛や腰の張りに悩まされてきたが、マウスピースによって歯のかみ合わせを矯正することで背骨にも好影響を与えようというもの。今季チームで唯一、フルイニング出場を果たした田中がプロ10年目を迎える来季に“理想の背骨”を手に入れる。
背筋を伸ばせ!姿勢を正せ!という注意をよく耳にするが、田中の場合は逆だった。人間がバランスを保ちながら安定した二足歩行を行うために、頸椎(けいつい)部と腰椎部では前方に凸のカーブを描き、胸椎部と仙骨部では後方に凸のカーブを描くのが理想の姿勢。特に第5腰椎と仙骨との角度が30度程度を保つのが最も腰部への負担が少ないと言われる。簡単に言えば、横から見たときにS字ラインができる背骨が理想で、これを生理的わん曲という。だが、田中の場合は横から見ても背骨が真っすぐ。これが腰痛、首痛、さらには疲労の蓄積を生む原因の1つになっていた。チームで唯一、全試合フルイニング出場を果たした田中だが「シーズン終盤は首痛だったし、何度か出場を見送ろうと思ったこともあった」と振り返る。
そこで“秘密兵器”として導入するのが上下の歯型をとってつくった特注マウスピースだ。かみ合わせを矯正することで背骨にも好影響があるという。「寝る時もマウスピースをして寝ます。歯のかみ合わせを良くして、最終的に背骨のきれいなわん曲をつくりたいんですよ」。この日、札幌市内の室内練習場で自主トレを終えると、夕方に発注していたマウスピースを取りに行った。今オフ間はレントゲンで定期的に背骨をチェックし、美しいS字ラインのわん曲が形成されているかを確認していくという。
背骨だけではない。今オフは「インナーマッスルも鍛えていきたいですね。特に股関節は大事ですから」と肉体改造にも着手する腹づもりだ。
来季にプロ10年目の節目の年を迎えるため、すでに精力的なオフを過ごしている。CS終了後には山形県内で断食合宿を敢行し、4キロの体重減に成功。すべては来季に3割30本塁打30盗塁の“トリプルスリー”を達成し、チームをV奪回に導くため。背骨は曲げても、信念は曲げない。
[ 2008年11月14日 ]
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