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「死刑に抑止効果なし」 米ニュージャージー州が死刑廃止
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【ニューヨーク=長戸雅子】米東部ニュージャージー州の州下院は13日、死刑制度を廃止する法案を可決した。これにより、同州は1976年に連邦最高裁が死刑復活を認めてから死刑制度を廃止する州となる。
州下院の広報担当によると、法案は44対36票で可決された。同案はすでに上院を通過しており、ジョン・コーザイン州知事の署名で法律として成立する。コーザイン知事は同日、来週中にも署名する意向を述べた。
廃止法案は州特別委員会が1月、「死刑に殺人など最悪の犯罪抑止に効果があるとの証拠はない」などとする報告書を提出したことを受けて、民主党議員が提出。同州議会は民主党が多数派を占めている。
同州は63年以来、執行を停止しているものの、現在8人の死刑囚がいる。死刑囚は知事の署名後、終身刑に減刑される。この中には、性犯罪の前歴者の名前や住所を公表する「メーガン法」制定の契機となった女児・メーガンさん殺害事件の犯人も含まれている。
メーガンさんの父、カンカ・メーガンさんは「私の娘は無残な方法で殺害された。(死刑廃止は)侮辱以外のなにものでもない」と廃止を見直すよう訴えていた。
米国では、50州のうち、ニュージャージーを含む37州が死刑制度を維持しており、76年以降1000件以上が執行された。
国際人権団体などは死刑廃止の動きが他州にも広がることを期待している。