「沖縄で運命が変わった」と話す百度日本駐在首席代表の陳海騰さん(左)と、恩師の成田善一さん=13日、琉球新報社
「日本で社長になるという夢がかなった」―。沖縄国際大学の卒業生で、中国福建省厦門(あもい)出身の陳海騰さん(41)が、2006年12月から、中国最大手で世界でもグーグル、ヤフーに次ぐ検索サイト大手「百度(バイドゥ)」の日本駐在首席代表を務めている。厦門での旅行社勤務時代に、中国視察に訪れた沖国大教授らと知り合った縁で同大に留学。その後、同大非常勤講師(当時)で薬品会社「琉薬」社長の成田善一さん(71)らの後押しで神戸大学大学院に進学し経済学修士号を取得、NTT西日本や中国企業での勤務を経て今の地位を得た。陳さんは「沖縄での出会いで、わたしの人生は変わった」と語り、「今度は沖縄に恩返しがしたい」と情熱をたぎらせた。
陳さんは1967年生まれ。父親は地元の名士で恵まれた生活を送っていたが、大学在学時にNHKの連続テレビ小説「おしん」を見たことで日本語に興味を持ち、留学を決意。1992年に沖縄で日本語学校に入学。その後、沖国大商学部に留学し、成田さんのほか、富川盛武現学長や大城保教授らと親交を深めた。
当時、陳さんは那覇市内のアパートで別の留学生と同居。授業が終わると、午後4時から午前零時までホテルのフロント係として働き、1日の睡眠時間は2―3時間だった。「『いつか日本で社長になる』と話したら、ばかにされた。ハングリー精神で必死に学業と両立させた」(陳さん)。
成田さんは当時の陳さんについて「授業では必ず的を射た質問をしていた。『こいつの運命を変えられたらおもしろい』と思って食事に誘うようになった」と語る。神戸大大学院に進学した際には学費を出すなど積極的に支援した。
現在は六本木ヒルズに300坪の事務所を構えるまでになった陳さん。成田さんは「昔は汚いバイクで通学してたんだけどな。沖国大OBで一番の出世頭。すごい山を当てた気分だ」と笑う。陳さんの妻子は日本国籍を取得したが、日本名は恩師と同じ「成田」にした。
日本企業での勤務経験やベンチャー企業の立ち上げなどの経験を見込まれ、百度にヘッドハンティングされ、百人の中から日本法人の初代社長に抜てきされた陳さんは、当初、東京都内で1人奮闘し、8カ月で軌道に乗せた。現在は社外取締役にソニー元会長の出井伸之氏を迎えるなど、日本でのシェア拡大に奔走する。
陳さんは「今後観光面などで沖縄に貢献できれば」と話した。(松堂秀樹)
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