Print this Post Article Lists Back

韓日併合:不当性訴えるドイツ政府の文書発見(上)

明知大チョン・サンス教授が発見

「併合しても外交権は維持すべき」

当時のドイツ皇帝ウィルヘルム2世が署名、「列強すべてが承認した」とする日本の主張覆す

高宗皇帝(左)とドイツの皇帝ウィルヘルム2世。高宗は1906年1月、ウィルヘルム2世に密書を送り、乙巳勒約(第2次日韓協約)の不当性を訴えた。当時ドイツは、既に日本が高宗を退位させる計画を立てていることを知っていた。/写真=朝鮮日報DB

 大韓帝国の国権が日帝に奪われる直前、韓日強制併合を不当だと指摘したドイツの外務大臣の文書が発見された。この資料は、当時「欧米列強はいずれも日韓併合を承認した」とする日本側の主張を覆すものとして注目されている。

 明知大人文科学研究所のチョン・サンス研究教授(44)は3日、「最近、ドイツのベルリンにある外務省政治文書保管所を訪問し、韓国関連の文書を閲覧していた際に、この資料を発見した」と語った。

 この資料は、韓日併合条約が公布される2日前の1910年8月27日、ドイツ帝国の新任外務大臣キーデルレン・ベヒター(1852‐1912)が首相のベートマン・ホルベークに送った報告書だ。皇帝ウィルヘルム2世(在位1888‐1918)もこの文書に目を通し、署名を残している。

◆「韓国との外交権を維持すべき」

 同報告書は、韓日併合に対して政治的に強硬な対応は避けるべきだと指摘しつつも、「1883年の朝独修好通商条約により、韓国での領事裁判権や外交権は維持し続けるべきだ」と主張した。また「テキサス共和国・ハワイ王国に対する米国の併合といった過去の事例で多くの問題点を発見したため、ドイツ外務省は他国と領事裁判権・外交権維持のため交渉を行った」とも記録されている。もしほかの大国がドイツと足並みを揃えたならば、併合に反対する政治的攻勢に出ることもあり得る、ということを示唆したわけだ。これについて、チョン教授は「ドイツが領事裁判権を維持する意思を示したということは、韓日併合を認めず、大韓帝国の存続を引き続き認めるつもりだという意味だ」と語った。ドイツは1914年の第1次世界大戦ぼっ発で日本との国交が中断するまで、韓国での領事裁判権を放棄しなかった。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る