明成皇后殺害犯の後裔らが謝罪訪問
1896年の深夜、景福宮(キョンボックン)で明成皇后を殺害した日本の浪人、国友重章の孫、河野龍巳さんと家入嘉吉の孫の妻、家入恵子さんが「明成皇后を考える会」の会員と共にこの日、韓国へ来た。
熊本出身の国友は事件当時、同行した先輩にあたる安逹謙蔵・漢城新報社長の下で主筆を務め、日本の浪人らを率いて景福宮に乱入、家入はこの時参加した熊本出身の浪人だ。
二人は10日午前、明成皇后と高宗が合葬された南揚州(ナムヤンジュ)市・金谷(クムゴク)洞の洪陵を訪れ、午後には京畿(キョンギ)道・驪州(ヨジュ)の明成皇后の生家を訪問する。翌日には110年前に事件現場となった景福宮の玉壷楼(復元工事中)を訪れた後、12日に帰国する予定だ。
「明成皇后を考える会」は昨年11月に熊本出身の元教師20人によって結成され、明成皇后殺人犯らの後裔を捜し出して関連記録を調査、殺害事件の真相究明を率先して行っている。明成皇后殺害事件に対する反省から出発してこそ韓日が真の友好を築く新たな時代を切り拓くことが出来るという主旨からだ。
- 河野龍巳さん(左端)
国友は三浦公使ら明成皇后殺人犯55人と共に裁判に回付されたが、1896年の広島法廷で証拠不十分によって全員釈放された。国友はその後、大阪朝日新聞の主筆に推薦されたが、明成皇后殺害事件への関与が問題となり取り消され、1909年に病死した。
今回の訪韓を取り持ったのはフリージャーナリスのチョン・スウン氏。昨年から明成皇后殺人犯の後裔を追跡してきたチョン・スウン氏は「明成皇后殺人犯の後裔による謝罪を通じて110年間のしこりが残った韓日関係のわだかまりを解く糸口を見付けるようになった」と語った。チョン・スウン氏によるドキュメンタリー番組は8月にSBSテレビを通じて放送される予定だ。
キム・ギチョル記者 kichul@chosun.com
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