「日本の伊藤内閣、明成皇后殺害に介入」
ドキュメンタリー監督の鄭秀雄(チョン・スウン)さんは5日、芳川顯正司法大臣が1895年6月、陸奧宗光外務大臣宛てに送った手紙を公開した。
この手紙には芳川と井上公使の間で交わされた話が書かれており、芳川は帰任を控えている井上に「(伊藤総理に)弥縫(びほう)策はきっぱり放棄し、『決行の方針』を採択するよう強く勧めよ」といった内容を話している。
日本は事件直後から現在まで一貫して日本政府の介入を否認しており、韓国の学会からは当時の駐韓公使三浦梧樓の単独犯罪説、井上馨元駐韓公使主導説などが出ていた。
そのため、当時日本の最高指導者だった伊藤を含む閣僚の介入を暗示する今回の史料は今後議論を呼びそうだ。芳川は手紙に「(井上の)心の中を探ったところ、反対していないようなので、こちらの希望通り動きそうだ」と書いている。
李泰鎭(イ・テジン)ソウル大学教授は5日、この手紙について「司法大臣と外務大臣が手紙でこのような問題に触れていることから、内閣レベルで明成皇后の殺害について話し合っていたものとみられる」とし、「伊藤の殺害事件への介入を裏付ける資料はほとんどないため、かなり注目に値する」と述べた。
明成皇后殺害事件を追跡してきた崔文衡(チェ・ムンヒョン)漢陽(ハニャン)大学名誉教授は、「伊藤の明成皇后殺害事件への介入を明確に暗示する資料だ」と語った。
日本近代史研究者の小松裕熊本大学教授は、この手紙について「『弥縫策』は朝鮮政府を貸与金で懐柔しようとする井上の方針を意味するものと思われる」とし、「『決行の方針』は武断的手段での解決を示唆するものとみられる」と分析した。
この手紙が書かれた翌日の1895年7月、陸軍中将出身の三浦が井上の後任として駐韓公使に任命された。井上は同年9月1日、三浦が赴任してから17日間公使館に泊まり、事件の20日前に帰国した。
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