韓日民間研究者が共同執筆した歴史教科書の中身とは(下)
韓日歴史共通教材『韓日交流の歴史―先史から現代まで―』
◆近代…朝鮮総督府の統治、収奪的性格が強い
『韓日交流の歴史』は開港期について、甲午・乙未改革(1894年から95年にかけての近代化改革)が朝鮮政府の主体的な改革であったことを明記し(207ページ)、乙未事変(閔妃暗殺事件)についても日本公使が日本軍守備隊と大陸浪人を景福宮に乱入させ、明成皇后(閔妃)を殺害した事件であったと指摘している。しかし、韓国併合については、その過程を詳細に記述しつつも、合法・違法の判断については「違法な強制占領というのが韓国側の見解」と述べるにとどまっている(227ページ)。
日本統治期については、土地調査事業(241ページから245ページ)と産米増産計画(255ページから257ページ)を詳細に記述し、日帝の朝鮮統治は「収奪的」性格が強かったことを明らかにし、1920年代の文化統治についても、韓国人を分裂させようとする巧妙な統治方式であったことを明記している(285ページ)。また、8万人から20万人に上る慰安婦強制動員にも言及している(309ページ)。
一方、韓国の自治を主張した吉野作造や、光化門の撤去に反対した柳宗悦など、一部良心的な日本人がいたことも伝えている(271ページから274ページ)。
◆現代…韓日基本条約には光と影の両者が混在
1945年以降について『韓日交流の歴史』は、終戦時、38度線以北に居住していた日本人のうち6万人余りがソ連軍に抑留され、38度線以南への南下を試みたものの、飢えや寒さ、伝染病により死亡者が多数出るなど、終戦直後の在朝鮮日本人たちの惨状を詳細に記述している(328ページから330ページ)。
また、1965年の韓日基本条約については、韓日両国の経済発展に重要な役割を果たしたが、植民地支配の責任をあいまいにするなど、多くの問題点を残したと評価している(353ページから354ページ)。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
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