米金融危機:安全な通貨求め「円買い」集中
韓国のウォンが米国のドルに対して価値を下げている中、日本円の価値が高まりを見せている。
円相場は東京外国為替市場で7日午前、一時1ドル=101円台にまで急騰した。同日午後3時(現地時間)現在で102円70銭で取引を終え、今月初め(106円台)に比べて3.6%の円高ドル安となった。また、ユーロに対する価値も今月に入って7.2%上昇し、1ユーロ=139円台(同日午後3時現在)にまで円高が進んだ。
またウォン相場も同日、100円=1290.29ウォン(午後3時現在)と、1998年3月以来のウォン安円高を記録した。
これに先立ち6日にも円は、ユーロに対して5.7%も急騰し、1999年にユーロが使用されるようになって以来、史上最大の上げ幅を記録した。円は同日、米ドルに対しても4.2%上昇し、1日の上昇率としては98年10月以降、20年ぶりの上げ幅となった。オーストラリア・ドルとニュージーランド・ドルは今年7月以降、円に対してそれぞれ44%、30%も価値を下げている。
こうした円高の原因は、米国発の金融危機の拡散で安全な通貨を求める国際投資資金が円に移動しているためだ。いわゆる安全な通貨への乗り換えが進んでいるのだ。スタンダード銀行のスティーブン・ベロ氏は「円が世界で最も価値の高い通貨になる」と予測した。
また、新韓銀行のチョ・ジェソン金融工学センター次長も「日本銀行は保守的な資金運用を行ってきたため、現在の信用危機にも相対的に強い上、日本の外貨準備高など財政余力も優れているとの点が、円高に振れる要因となっている」と話した。欧州が米国発の危機に見舞われ、ユーロに対する信頼が低下してきたことで、「いまや信じられる通貨は円だけだ」という認識が世界中に拡散しているとの説明だ。
このほか証券市場の世界的低迷で、円キャリートレード(低金利で調達した円資金を高金利の海外に投資する取引)の解消が加速化していることも、原因の一つとして挙げられる。外換銀行のユン・ジョンア課長は「外に出回っていた円が回収されていく過程で、円買いが集中し、円高に振れている」と説明した。
こうした経済の動きについて、企業銀行が運営する企銀経済研究所のイ・ヨンスク博士は「世界的な信用危機が続く限り、今後も円高は続くだろう」と話した。
李敬恩(イ・ギョンウン)記者
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