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敵とみなされ襲われた村 内戦激化のコンゴ東部

2008年11月12日14時14分

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写真自宅で夫を殺されたトウィゼレさんと子供たち=コンゴ東部キワンジャ、古谷写す

写真陣地周辺を歩く反政府組織CNDPの兵士ら=コンゴ東部ルチュル、古谷写す

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 【キワンジャ(コンゴ〈旧ザイール〉東部)=古谷祐伸】反政府勢力と政府軍の戦闘が激化しているコンゴ東部で、一般住民が敵対勢力と決めつけられ、多数殺された可能性が出ている。国連は「戦争犯罪」として追及することも視野に調査中だが、住民らはすっかり、おびえきっている。

 東部の中心都市ゴマから北へ80キロ。キワンジャ村のマブンゴ地区では、11日にも新たな遺体が見つかった。大勢の住民が5日、反政府組織、人民防衛国民会議(CNDP)の兵士らに殺された現場だ。

 夫を殺されたトウィゼレさん(30)は自宅の片隅を指さして、泣いた。「隣人にも助けてもらって夫をここへ埋めた。離れた墓地まで、怖くて運べなかったの」

 夫のヌタムハンガさん(35)は妻と3人の子をかばいながら、狭い自宅に隠れていた。正午過ぎ、木のドアをけって兵士3人が入ってきた。

 「金をくれと言うので、夫は食費のために3日前に鉄板を売って手にした10ドル紙幣をポケットから出して渡した。それで大丈夫だと思った瞬間、夫は胸を撃たれ、部屋の隅まで吹き飛ばされた」

 政府軍との戦闘は8月下旬に始まり、キワンジャは11月2日にCNDP支配下に入った。4日には、政府の支援を受けているとされる民兵マイマイと、CNDPとの間で激しい攻防戦があったという。

 住民らによると、CNDPの大集団がやってきたのは5日早朝。若い男性を見つけては次々に射殺した。殺戮(さつりく)は午後4時まで続いた。地区長ムビリンデさんは「最初は住民を巻き込むことはなかったが、5日朝になって、若い男性をマイマイ兵と決めつけて殺し始めた」と話す。

 約5キロ離れた町ルチュルの丘の上に、CNDPは拠点を構えている。ナンバー2を名乗るヌゲベ氏が取材に応じ、「我々は私服で活動するマイマイ兵を見つけて殺しはしたが、民間人は殺していない」と答えた。

 国連は犠牲者数を26人としているが、ムビリンデさんは「遺体を埋めていた赤十字のスタッフは、250人は死んだと言っていた」と言う。赤十字は取材に応じなかった。

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