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「9月危機説、風説で利益得る勢力に強硬姿勢」(下)

金融委事務処長に聞く

-韓国政府は現在、金融市場をどのように判断しているか。

 「国内的要因よりは対外的要因による市場の不安だ。対外的要因として為替市場や株式市場の変動がある。韓国市場そのものには動揺する要因はない」

-危機ではないという根拠は。

 「9月危機説は外国人が保有する債券の満期が9月に集中しており、外国人が一度に資金を引き揚げるというものだ。数字で説明したい。9月10日に満期を迎える対外債務の規模は70億ドル(約7580億円)前後だ。しかし、韓国は金利が諸外国より高いため、大部分が再投資に回されるはずだ。万一全額が回収されても償還には全く問題がない」

-貯蓄銀行のプロジェクト・ファイナンスに不良債権化の懸念が高まっている。

 「プロジェクト・ファイナンスの規模は全体で97兆ウォン(約9兆2700億円)だ。このうち貯蓄銀行による融資は12兆ウォン(約1兆1400億円)で、貯蓄銀行による融資残高に占める割合は24%と安定的な水準だ。また、貯蓄銀行の融資残高は金融機関全体の3.5%にすぎない。チェックの結果、貯蓄銀行7行に問題が指摘されたが、5行は増資や合併・買収で解決済みで、2行に関しては構造調整が進んでいる」

-通貨危機当時と現在の状況はどう違うのか。

 「銀行の自己資本比率は8%から12%に上昇した。企業の負債比率は400%台から98%に低下した。企業は数十兆ウォン(数兆円)ものキャッシュを保有している。通貨危機当時と資金環境を比較すること事態が無意味だ」

-市場参加者に言いたいことは。

 「改めて強調するが、韓国は世界で最も効率的な危機対応体制を備えている。実際に危機が起きたときにどのように処理していくか関係官庁の協力体制も出来上がっている。韓国株式市場の体力も思ったよりしっかりしている。全く不安感を感じる必要はない」

全洙竜(チョン・スヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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