97年アジア通貨危機:韓国に与えた影響とは
【特集】東アジア資本主義はどこへ向かうのか(2)
1997年7月にタイのバーツ暴落からインドネシア・フィリピン・韓国へと広まったアジア通貨危機は、それまで順調だったアジア資本主義に壊滅的打撃を与えた。そのから10年、通貨危機は東アジアの政治・社会秩序をどのように変えたのか。朝鮮日報と韓国国際政治学会(会長:河竜出=ハ・ヨンチュル =ソウル大学外交学科教授)、米国カリフォルニア大学バークレー校韓国学研究所は通貨危機10年を迎え、当時の当事国だったアジア各国の学者たちと米日の著名な学者を招待して18日と19日にソウル三成洞のCOEXで国際学術会議を開催した。
参加者は当時米国が英米式資本主義を広めてアジア経済に対する支配を強めようとしたが、結果的には中国の急浮上を招いたと分析した。
参加者たちの見方によれば日本は通貨危機をきっかけとして自国が「アジアの一員」であることを自覚し、これは中国と日本のアジアでの盟主争いへとつながった。インドネシア、フィリピンなどでは民主化が進展するきっかけとなったが、経済的な非効率性を生み出し民主主義のパラドックス(逆説)に悩む結果となった。
また国際通貨基金(IMF)や世界銀行の意図とは異なりアジア各国は現在も市場中心ではなく国家が主導する経済発展モデルで多くの成果を上げ、アジア的発展モデルの終息を予測していた西欧の政治経済学者をとまどわせたと参加者たちは指摘した。
◆韓国に及ぼした影響
韓国経済は通貨危機以降、金融改革や企業の支配構造改革などに成功したとの評価を受けているが、一方ではこれに対する批判も多かった。サムスン経済研究所のキム・ヨンギ博士は「通貨危機以降英米資本主義的なモデルを導入することにより一部の財閥解体、企業支配構造の改革などが実現したが、一方では経済の活力が低下し企業のダイナミズムが委縮する副作用も出た」と指摘した。
ソウル市立大学の林成学(イム・ソンハク)教授は「韓国の銀行が外国資本に売却されたのは先進的な金融ノウハウを学ぼうとする意図があったからだが、実際は海外の投機資金が韓国の銀行を買収し再び韓国の銀行を売りに出す悪循環ばかりが続いている」と主張した。
ソウル大学のチャン・ギョンソプ教授は「通貨危機以降、失意にあった人たちが脱出症候群を示している」との社会病理現象の存在を指摘した。労働市場・経済・国家などからの脱出を試みる動きは、▲公務員に対する人気の上昇、▲自発的失業者の増加、▲海外への移民増加などとして表れ、生活からの脱出を意味する自殺率の増加も続いていると述べた。
金洪秀(キム・ホンス)記者
チョン・チョルファン記者
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