Print this Post Article Lists Back

自分のルーツ探しに乗り出したライタイハンたち…

 ベトナムに派兵された韓国人の父親とベトナム人の母親の間で生まれたハーフで、ベトナム戦争の終戦以後、母親に育てられた「ライタイハン」が、韓国人父親との親子関係の確認を求める訴訟で勝訴し、戸籍上息子として認められた。現在、類似の訴訟が複数進行中であることに加え、ベトナムには1万人のライタイハンが生存していると伝えられ、彼らの“ルーツ探し”が今後続くとみられる。

 1969年からベトナムのホーチミン市で自動車修理工として働いていた李某(68)さんは現地の女性と同棲、72年3月に息子Rさんが生まれた。その後、二人は正式に結婚したが、74年のベトナム戦争の敗戦によって、李さんは妻と1才の誕生日が過ぎたばかりの息子を残してベトナムを後にした。その後、ベトナムは共産主義国家になり、李さん家族の再会を容認されなかった。

 92年に両国関係が正常化し、妻探しに奔走した李さんは聞き込みの末、98年に妻の居場所を突き止めたが、事情があって一緒に暮らすことはできなかった。そうした中、今年1月に息子のRさんが産業研修生の資格で韓国を訪れ、親子確認訴訟を提起した。ソウル家庭裁判所の金泌坤(キム・ピルゴン)判事は今月23日、「李さんとその妻は69年頃から事実上結婚したも同然で、72年にはRさんが生まれた。ベトナム法に則って結婚したことが認められるだけに、李さんの実の息子と認められる」と判決を下した。

 これに先立ち、昨年もライタイハンである金某(30)さんが韓国人の父親を相手取り同様の訴訟を提起して勝訴、現在は韓国人として貿易業に携わっている。また、ベトナム現地にいる兄弟3人もやはり同様の訴訟を提起、裁判中だ。

 この4人は韓国人父親の戸籍に名前が載るだけでなく、韓国国籍を取得、韓国人の兄弟と等しい相続権が与えられ、投票権を行使するなど韓国人としての権利を享受できる。

 しかし、副作用も懸念される。父親や韓国の家族の立場としては、彼らの存在を認める場合、家庭の不和が生じかねなく、子息の間で父親の遺産をめぐって争いが起きる可能性もある。

 訴訟を担当した朴五淳(パク・オスン)弁護士は「父親の国という立場で、ライタイハンを受け入れるべきだが、韓国人父親の家庭に多くの問題を抱かせかねないだけに、政府と市民団体などが膝を交えて合理的な対策づくりに取り組まなければならない」と話した。

全洙龍(チョン・スヨン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る