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南大門火災:日本の専門家に聞く再建の課題

窪寺茂氏インタビュー

 日本が文化財保護の先進国になったのは1949年と50年に代表的な国宝を失ったことがきっかけだった。世界最古の木造建築物だった奈良・法隆寺の金堂と、金箔(きんぱく)が張られていることで有名な京都・金閣寺の舍利殿が燃えたのだ。残念なことに高句麗時代の僧侶・曇徴(韓国読み:タムジン、日本語読み:どんちょう)が描いたと言われる法隆寺金堂の壁画は失われてしまったが、金堂の建物だけは「国宝」として復元された。だが、金閣寺舍利殿は再建されたものの、国宝から除外された。

 日本の木造文化財再建において最高峰の専門家と言われる、奈良文化財研究所の窪寺茂建造物研究室長は「現在の崇礼門(南大門)は火災直後の法隆寺金堂よりも悪い状態とは言えない。焦らなければ十分、国宝として復元できる」と語った。

―法隆寺金堂は国宝として残ったが、金閣寺舍利殿は国宝ではなくなった。何がその違いにつながったのか。 

「法隆寺金堂は修理、金閣寺は完全に再建により復元した。それは火事で燃え、どれだけの部分が残ったかによる。金閣寺は全焼した。だから新たに建て直したのだ。法隆寺は残った木材があった。それを残すやり方で修復したため、国宝として残った」

―崇礼門はどのような方法を取るべきか。 

「残すものは最大限残し、国宝指定を維持すべきだ」

―崇礼門火災は法隆寺よりも深刻な状況では? 

「断定できない。テレビ映像で見る限り、残がいには文化財としての価値が十分残っていると思う。崇礼門は決して金閣寺のような状況ではない。ずっと状態がいい。まず、崇礼門は柱が生きているようだ。1階部分の部材もかなり生きている。炭のように見えても、内部の木材が生きていれば修復できる。残った部材を修理して使えば、日本の基準では国宝指定の維持が可能だ」

―ほとんど燃えてしまった木材は? 

「法隆寺金堂には焼損し復元できなかった木材を永久保存している。今の技術では不可能でも、将来はそれを復元できる技術ができるかもしれない」

―日本では崇礼門よりもひどい状態だったのにもかかわらず、文化財として復元できた例があるか。 

「ある。山口県萩市にある“熊谷家”という民家が代表的なケースだ。重要文化財に指定されていたが、30年前(1977年)の火災でほぼ全焼したものの、修理を経て復元された。今も重要文化財だ」

―復元に際し守らなければならない原則は? 

「焦ってはならない。燃え残った木材を徹底的に調査し、生かせる木材はできるだけ生かし、以前の姿に最大限近づけるよう修復するのが大切だ」

―復元まで2~3年かかるという話もあるが。 

「日本なら4~5年はかかる。もっとかかるかもしれない。焦ってはならない」

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

【ニュース特集】ソウルのシンボル・南大門焼失

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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