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香港で放り出された8歳の韓国人女児

 ヨーロッパの外交官の家に養子に出された韓国人女児が養子縁組を解消され、身寄りのないまま香港で施設を転々としている。大邱市で生まれたジェードちゃん(8)は2000年1月、生後4カ月で韓国に駐在していたオランダ人外交官夫妻の元へ養子に出された。当時、外交官の妻は不妊症だと思われていた。

 しかしこの外交官夫妻は04年7月に香港勤務になった後、子ども二人を授かったため、昨年前半にジェードちゃんを香港社会福祉局に預け、養育を放棄した。ジェードちゃんは香港で、外国人宣教師の家や福祉施設を2年間も転々としている。

 9月以降、米国人男性と結婚した韓国出身の女性や北朝鮮系香港人など3家庭からジェードちゃんを養子に迎えたいとの希望があったが、複雑な手続や厳格な資格審査のため実現しなかった。

 韓国国籍を持つジェードちゃんは養父母がオランダ市民権取得の手続きをしておらず、香港居住民資格もない状態。英語と広東語はできるが、韓国語はできない。ジェードちゃんの養育を放棄したオランダ人外交官は「養子受け入れははじめから間違っていた。妻は養子縁組解消を決めた後も後遺症に苦しみ、治療を受けている。解決のため可能なことはすべてしている」と話している。

 しかし、香港在住の韓国系コミュニティーでは、養子縁組以来ジェードちゃんの国籍をそのままにし、無責任にも養育を放棄したオランダ人外交官に対し非難の声が相次いでいる。香港総領事館関係者は「ずっと外国生活をしてきたために外国語しか話せないジェードちゃんが韓国に適応するのは簡単でないと思う。香港で養子として受け入れてくれる韓国系の家庭を探している」と話している。

香港=宋義達(ソン・ウィダル)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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