Print this Post Article Lists Back

「日本の植民地統治は韓国の近代化を阻害」

慎鏞廈著『日本帝国主義の植民地政策と植民地近代化論批判』(文学と知性社)

 『解放前後史の再認識』に、今度は右派民族主義陣営が反撃か?

 社会学者として韓国近現代史研究に大きな業績を残した慎鏞廈(シン・ヨンハ)漢陽大客員教授が、これまでに発表した論文のなかから、日本帝国主義と植民地近代化論を批判した内容をまとめて出版した。

 著者は「一部の人の間で、日帝が植民地時代に遂行した政策が韓国を“近代化”してくれたという“植民地近代化論”が普及している」と嘆き、日本の植民地政策こそが韓国の近代化を阻害したと主張している。

 政治的近代化の面では、日帝が憲法ではなく、総督の命令により強圧的に統治したことを挙げ、反論した。また社会的近代化の面では、生命と身体の自由など、基本的市民権すらはく奪され、文化的には韓民族固有の文化が抹殺されたことを挙げた。

 最大の論点は経済的近代化だ。日本は植民統治下で半封建的地主制度を強化し、産業資本主義の確立ではなく、韓半島(朝鮮半島)を日本本国が独占する商品市場として改編する政策を行なったと著者は主張している。

 また当時の工業施設はそのほとんどが軍需施設で、現在の北朝鮮地域にあったため、1960年代以降の韓国主要企業のうち、99%が光復(日本の支配からの解放)以後の新生企業であるとし、日帝による経済的近代化を否定している。

ユ・ソクジェ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る