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古賀氏が「主流派宣言」 麻生派との合流にも含み、関係修復へ秋波か
定額給付金などをめぐり麻生太郎首相への逆風が続く中、首相と不仲がささやかれてきた自民党の古賀誠選対委員長が「主流派」を宣言し、首相の全面支持を打ち出した。古賀派(宏池会)から10年前に分裂した麻生派(為公会)との合流にも言及。麻生政権発足後、古賀氏の発言力は低下しており、首相との関係修復により巻き返しを図りたいとの思惑もチラつく。
「よく考えると(麻生政権の政策の)難しいところは何もかも宏池会がやっている。いっそのこと為公会と一緒に大宏池会になっておけばよかったと思わなくもない。しっかりと支えて頑張っていきたい」
13日昼、古賀派総会で古賀氏がこうあいさつすると出席議員から驚きの声が漏れた。
古賀氏の指摘通り、定額給付金は園田博之政調会長代理が仕切り、国際金融危機対応プロジェクトチーム(PT)座長は柳沢伯夫元厚労相、道路特定財源の一般財源化PT座長は谷垣禎一元国交相が務めるなど主要な政策は古賀派議員が担っている。
だが、古賀氏と首相は郵政民営化を機に関係が悪化した。首相は18年末に旧谷垣派との合併工作を進めるが、古賀氏の干渉により頓挫し、その後、古賀派が谷垣派と合流したためより険悪化。古賀派内の麻生派との合流「大宏池会構想」を求める声も古賀氏は「麻生氏とは理念・哲学が違う」と一(いつ)蹴(しゆう)してきた。
ところが先の総裁選で菅義偉選対副委員長ら若手・中堅の多くが「麻生擁立」に動き、古賀氏も従わざるを得なかった。麻生政権発足により菅氏らはますます台頭しており、古賀氏にとって首相との関係修復は急務となったようだ。
古賀氏は先月9日にも埼玉県草加市の講演で「首相と溝があると書かれるがそんなことはない。宏池会で同じ釜のメシを食った仲で、今でもタロちゃん、マコちゃんと呼び合っている」と親密さをアピール。今回の発言も修復工作の一環とみられるが、もし大宏池会が実現すれば町村派に匹敵する大派閥となるだけに党内の勢力図が大きく塗り替えられることになる。