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定額給付金の所得制限、設定は自治体に丸投げ 与党合意

2008年11月12日11時30分

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 自民、公明両党は12日午前、新総合経済対策の定額給付金は1人あたり一律1万2千円とし、18歳以下の子供と65歳以上の高齢者には8千円を上乗せすることで合意した。所得制限は法律では定めず、年間所得1800万円を下限の目安としたうえ、制限を設けるかどうかは各自治体の判断に任せる。

 下限の目安こそ示したものの、所得制限については給付金の申請や給付で窓口となる各市町村に「丸投げ」した格好だ。与党は「現場の実情が配慮される決め方をしなければならないと腐心した」(公明党の山口那津男政調会長)としているが、自治体の対応によって給付条件が異なり、混乱する可能性が高い。事務負担を考え、所得制限を設けない自治体も多く出そうだ。

 麻生首相は同日昼、自治体が混乱するのではないかと記者団に問われ、「それはあなた(記者)の希望であって、全然現場は混乱しない。所得制限をかける、かけない、手間の話やらなにやら、各市町村がやる」と語った。

 この日の与党協議には自公両党の幹事長、政調会長らが出席。名称を「定額給付金」とするほか、政府・与党内で迷走した所得制限は「各市町村がそれぞれの実情に応じて交付要綱において決定する」とし、「所得制限を設ける場合の下限は所得1800万円」とした。与党側の説明では、所得1800万円はサラリーマンの場合、年収2074万円に相当するという。

 所得制限を設けるかどうか、設けた場合にどのような基準とするかは、各自治体が作成する「交付要綱」に委ねられた。ただ、自治体の対応でばらつきが出れば全国的な混乱を招く恐れがあり、「丸投げ」には自治体からの反発も予想される。

 所得制限を設ける場合、いつの時点での所得とするのかや、世帯主が制限を受けても家族は給付を受けられるのかといった点もはっきりしないままで、今後、総務省の実施本部と自治体側で調整が必要となる。

 民主党の山岡賢次国会対策委員長は同日、国会内で記者団に「都合のいいところは自分たちで決めるが責任は地方自治体に押しつける。政治としてはまことに無責任な進め方だ」と批判。「現実に国で出来ないことを押しつけられても困るんじゃないか」と語った。

 所得制限を設定した市町村で、制限を超えた受給者が後から返還した場合、市町村が返還事務を負わねばならない。このため与党では「返還された給付金は返還事務の事務費の一部にあてることができる」とした。

 自公協議後に記者会見した山口氏は、支給総額について「1兆9600億円前後になると思う」と述べ、政府・与党で先に合意した総額2兆円の枠に収まるとの見通しを示した。

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