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【社会】

路上喫煙『罰金』1億円へ “本家”6年 アキバ最多

2008年11月12日 13時55分

路上喫煙禁止条例違反が最も多い秋葉原地区=12日午前、東京都千代田区で

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 全国で初めて路上喫煙を禁じる条例を施行した東京都千代田区で、施行後六年間の過料徴収総額が約九千四百万円と、一億円近くに上っていることが区のまとめで分かった。近隣の区市と比べて、徴収額の多さは突出しており、路上喫煙禁止条例の“本家”ならではの厳格ぶりをうかがわせている。 (越守丈太郎)

 区によると、これまでに罰則が適用されたのは計約四万七千件。一件当たり二千円の過料を徴収、次年度の一般会計に組み込んできた。地区別では、秋葉原地区での違反が約一万四千件と最も多く、靖国通り地区で約七千五百件、神田地区の約七千百件と続いた。

 秋葉原地区での違反が多い理由について、区の担当者は「大型量販店が集まる街に、つくばエクスプレスも開通したことから、観光客を含め(禁煙条例を知らない)区外・都外からの人が多いからだろう」とみている。

 千代田区の禁煙条例にはこれまで、全国約四十の自治体が追随。しかし、過料徴収額は千代田区ほどでない。五反田などの繁華街を持つ品川区は〇五年十月に同様の条例を施行したが、昨年度末までに過料を徴収したのは計七十八件、七万八千円にとどまった。

 そのほか、中野区や府中市、政令指定都市の川崎市も指定区域での路上喫煙を禁じる条例を施行しているが、罰則適用例はない。「指定区域の地元住民と協力している」(府中市)、「注意すれば吸うのをやめてもらえる」(川崎市)からだという。

 これに対し、千代田区は先月、麹町・富士見地区の一部を新たに路上禁煙地区に指定。来年度には霞が関・永田町地区も加える予定で、路上喫煙禁止地区は、皇居を除く区のほぼ全域に達する。

 最近は区内の公園で喫煙マナーの悪化が目立つといい、区の担当者は罰金などによる厳格化だけでなく、「喫煙者と非喫煙者の共存を図れるように、分煙化も検討したい」と話している。

(東京新聞)

 

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