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はっけんの水曜日
 
スールストロミングを食べに、北へ。

私のお皿。トマトやチーズなども用意されていたので、頂いた。

勢いで、まるまる一匹もらってしまった…。しかも内臓(カズノコ)入ってるやつ。

味が強烈過ぎて、いっぺんにこれくらいしか食べられない。
薬品みたいなツーンとした刺激はないのだが…、「異文化! 異文化!」という味がした。

おそるおそる食べる。
味は「しょっぱい魚の漬け物」。
でも肝心の香りが、どう説明していいのか分からない。

もぐもぐ。考える。
もぐもぐ。考える。

日本の匂いに同じものは無いんじゃないだろうか、これ? とか考える。

もぐもぐ。
……アンモニア?
もぐもぐ。

パリのメトロみたいな匂いがするけど気のせいかな? とか考える。

もぐもぐ。考える。
もぐもぐ。考える。

もぐもぐ。
……わからん!!

「皆さんは、生ゴミの発酵した匂いとか…、お子さんの場合はウ*チの匂いって言いますねえ」
と担当者さん。

いや、生ゴミもウ*チも、こんな匂いはしない。

…行ったことはないけれど、ヨーロッパの古い魚市場の床は、こんな匂いなんじゃないかな、たぶん、と、思った。

試食会が始まって15分くらいで、雨がざーっと降ってきて、気温が急降下。歯の根が合わないくらい寒くなった。
テントの中で縮こまりながら、悩みながら試食していたら、地元のおっちゃんに「ねえちゃん、中学生か?」ときかれ、あまりのことに卒倒しそうになった。匂うは寒いは面食らうわ。
違いますと言ったら、ビールをくださった。有り難い。スールストロミングはやはり酒が必要だと思った。


ジャガイモとトマトと合わせて食べたほうが食べやすいなあ、などと試行錯誤しながら、なんとか完食。

しかし……スールストロミングは、どうやって生まれたものなんだろう。
諸説あるらしいが、いちばん有名なのが
「戦争が続いた時代、兵隊の給料=塩が足りなくなって、ニシンが発酵してしまって、それを食べたら意外とイケた」
という話らしい。
初めて食べた人、っていうのは、とりあえず勇者だと思う。

「でも実は、スールストロミング、スウェーデン全土で食べられているものではなく、地域によって全く食べなかったりするんですよ」
と、担当者さんに教えてもらって、ショックであった。
「特に若い子は食べないみたいですねえ」

……大学生はシオカラとかイカの沖漬けを食べない、みたいなものだろうか。そりゃそうか。

■「スゴイ」ということしか分からなかった

ほんとうに真剣に真剣に食べたのだが…、
今迄の人生で食べたどの食べものの味にも、似ていなかった。
説明出来ないのが、大変に悔しい。

当別町スウェーデンヒルズも素敵な所ではあったが、これはやはり、
スウェーデン本国に行って食べてみないと、分からないのでは、という気がしてきた。
いつか行ける日は来るのだろうか…?


なんとなく自分撮りしてみたら死相が出ていた(そしてやはり中学生には見えない)。指についた匂いは、意外にも1日くらいでとれた。


「財団法人スウェーデン交流センター」
開館時間10:00〜16:30
スールストロミング試食会ほか、夏至祭やクリスマスフェア等の季節のイベント、ワークショップ等が行われており、
吹きガラス制作体験(毎週土曜日・要予約)も出来ます。常設展示あり、火曜定休。http://www4.ocn.ne.jp/~sweden/


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