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税収72億減 富山県、財源不足219億に拡大

2008年11月11日 06:55

税収72億減 富山県、財源不足219億に拡大

 県の平成二十一年度予算編成方針が十日、固まった。法人を中心とする税収の落ち込みを七十二億円と想定、税収減のうち四分の三は交付税措置される見通しだが、予算編成前の財源不足は二月時点より二十億円膨らみ約二百十九億円と見込んだ。重点施策経費として、橋の補強の前倒し整備や堤防の流木止めなどの大雨対策を行う「緊急安全対策枠」を新設する一方、予算要求枠(シーリング)で一般行政経費を前年度比2ポイント拡大し12パーセント減とするなどマイナスシーリングを継続する。しかし、シーリングによる全体の予算削減効果は約二十五億円とみられ、引き続き財源不足解消の取り組みが必要な状況となっている。

 石井知事が就任した直後の十六年十一月の十七年度予算編成前には約四百億円の財源不足が見込まれたが、行革などにより本年度予算編成の二月時点で約百四十億円まで圧縮した。税収は千四百億円と見込んでいたが、実際には法人関係の税収の落ち込みが響き、九月時点で七十二億円減の千三百二十八億円に下方修正した。二十一年度予算はこの税収の動向を基に編成され、今後も景気悪化の影響でさらなる落ち込みが想定される。

 税収減の四分の三は交付税措置される見通しだが、医療など社会保障関係の経費も増加しているとし、現時点で当初より二十億円増の二百十九億円の財源不足とした。

 県はマイナスシーリングを継続する一方、県民の元気づくりにつながる政策を戦略的に展開するため、重点施策経費として約二十億円の「元気とやま創造戦略枠」、約三億五千万円の収入を見込む「水と緑の森づくり枠」を前年度同様に設けるほか、大雨による流木被害の対策などの「緊急安全対策枠」約十億円を新設した。

 投資的経費では、北陸新幹線整備負担金や合併支援道路、県立高校耐震補強や消防学校・防災拠点施設などの事業を除き、公共・国直轄、主要県単独事業いずれも前年同様マイナス8パーセントの要求とする。一般行政経費は12パーセントのマイナスシーリングに拡大するが、事務経費については県立学校や福祉関連施設の運営費は除く。

 財政再建を掲げる石井知事は十日の記者会見で、二期目最初の予算編成方針を説明。税収減に対し、地方交付税の増額や減収補てん債の発行を国に要望するほか、県債管理基金などの基金取り崩しも視野に入れる考えを示した。米国発の財政危機などの景気後退を受け「財政体質は良くなっているが、再建のペースは落ちざるを得ない」との見方を示した。

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