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「西高東低」の様相/神奈川県内公立小中学校のトイレ清掃の実施
- 子育て・教育
- 2008/11/08
横浜市教育委員会が今月から順次、児童生徒による学校のトイレ清掃を約三十年ぶりに再開するが、県内三十三市町村のうち、公立小のトイレ清掃を児童が行っているのは約七割の二十四市町村に上ることが七日、神奈川新聞社の調べで分かった。県央、県西地域に多く、うち十四市町村では児童が便器まで清掃している。一方、業者や校務員に任せているのは都市部の横浜、川崎両政令市を含む八市町。児童による清掃の実施は「西高東低」となっている。
県内の公立中学校では、生徒がトイレ清掃している市町村は全体の約八割の二十八市町村で、うち十九市町村では便器も清掃。四市町は業者や校務員が行っていると回答した。
児童生徒が清掃している市町村の担当者は一様に「身の回りの清掃を自分たちでやるのは当たり前」などと回答。横浜市の再開について、県央地域の自治体は「やっていないなんて驚いた」「そんな地域があったのか」との声を上げ、自治体間でのギャップが大きい。
一方、児童による清掃を行っていない自治体が業者などに委託している理由に挙げるのは、感染症にかかる懸念があるなど衛生面での問題。川崎市は「小学生では感染症などへの耐性が弱い」として業者に清掃を任せているが、体力が向上する中学生は便器清掃まで行っているという。
同じく衛生面を理由に、児童生徒による清掃をトイレの一部にとどめ、便器の清掃は業者に委託している自治体では「児童生徒とも床をほうきではく程度」(茅ケ崎市)、「小学生は手洗い場の清掃、中学生になると床清掃が加わる」(葉山町)などという。
児童の清掃には教育効果があるとする小学校も。開成町立開成小学校(千六十五人)では、児童がゴム手袋をはめて便器の清掃に取り組んでおり、「校舎内を汚さないよう心掛けるようになり、児童同士で気遣う気持ちも芽生えているようだ。校外の公共施設をきれいに使うことにもつながれば」(同校教頭)と期待している。
児童生徒のトイレ清掃について、県立衛生研究所(茅ケ崎市)の担当者は「家庭のトイレ清掃の延長と考えれば問題はなく、手袋をした上で養護教諭らの指示に従えばよい」と説明している。
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