2008-10-20
■[多言論争]世界恐慌
それにしても、経済関連のニュースを追っていると、「世界恐慌目前か?!」と思うようなニュースばかりで、「この先の生活はどうなるの?」と不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
現に、アイスランドは破綻寸前まで追い込まれている状態ですからね。
『アイスランド、最大手銀も政府管理下に 』(日本経済新聞)
『大和生命保険が自力再建を断念 7年ぶり生保破綻 』(朝日新聞)
『米リーマン対象のCDS清算、国内に損失波及も 』(日本経済新聞)
一方、物価高の原因の一つであったNYの原油先物相場は、1バレル=77.70ドルと、07年9月10日以来、約1年1カ月ぶりの安値水準になりましたが(ソースはこちら )、その恩恵を受けるまでにはまだ少し時間がかかりそうです。
帝国データバンク の倒産集計 を見ると、先月(2008年9月)の倒産件数は1122件で、負債総額は5兆3197億9400万円となっていますが、2008年に入ってからというもの、
倒産件数が1000件以下の月が、1月、2月、5月の3ヶ月しかない
という状態でして、それ以外の月は1000件超えしている状態なんですね。
2007年で倒産件数が1000件を超えた月は、5月と10月の2ヶ月だったのですが(ちなみに2006年は1000件以上の月はなし)、今年はかなりのハイペースで企業が倒産していることが分かります。
こうも企業の倒産が増えると、一般市民にとって心配なのが失業率の増大。
総務省発表の労働力調査によると、2008年8月の失業率は4.2%と、2年2ヶ月ぶりの高水準になっていることが明らかにされたわけですが、
第1表の『就業状態別15歳以上人口,産業別就業者数,完全失業者数 』を見ていて、気になったことを箇条書きでピックアップしておきます。
- 「就業状態」を見ると、労働力人口の中でも、「自営業主」が著しく減少している。
- 「主な産業別就業者」のうち、農林業、建設業、製造業、卸売・小売業、飲食店・宿泊業に減少が見られるが、その中でも卸売・小売業がダントツである。
- 「主な産業別雇用者」を見ると、卸売・小売業、飲食店・宿泊業の減少が著しいことが分かる。男性では建設業、卸売・小売業、女性では製造業、飲食店・宿泊業に失業者が多い。
- 「従業者規模(非農林業雇用者)」を見ると、従業員数が499人以下の中小・零細企業の倒産が多い。逆に、従業員数が500人以上を超える企業では従業員を増やしている。
- 「完全失業者」を見ると、「勤め先や事業の都合」、「自分や家族の都合」が多いが、男性は勤め先都合、女性は自己都合による退職が多いことが分かる。
- 「完全失業率」を見ると、季節調整値を加味した値で、男女計で4.2%と、前月比0.2%増となった。男性の失業率は4.3%、女性は3.9%(前月比±0)となっている。季節調整値を加味しない状態では、4.1%と、前月比0.4%増となった。特に25~34歳の失業率は他の世代と比較しても失業率の伸びが高く、前月比1.0%増の5.6%であった。
- 男性の失業率は前月比0.4%増の4.1%であった。男性はどの年代でも失業率が増加しているが、特に、15~24歳までの失業率が8.8%と、前月比1.5%増加している。次いで、25~34歳までが5.2%(前月比0.9%増)、55~64歳までが4.2%(前月比0.5%増)と続く。
- 女性の失業率は、前月比0.2%増の4.0%であった。女性は15~24歳までの失業率が前月比−1.5%と改善しているが、その他の年代は改善しているとは言い難い状況である。特に、女性は25~34歳の失業率が増え(前月比1.4%増)、次に55~64歳の失業率が増えている(前月比1.0%増)。
ざっと箇条書きにして書きましたが、この時期は原油等の物価高の影響が大きかったこともあり、卸売・小売業、飲食店・宿泊業へ皺寄せが出てしまったのではないかと思います。
ただ、これはあくまで8月時点での話なので、9月以降のリーマン破綻により更に深刻化した金融危機以降の話ではないので、9月のデータはまた違った様相を呈しているのではないかと思いますけどね。
一連の円高・株安による経済的なダメージが、失業率や所得の減少に反映されるまでには、早くて2・3ヶ月、遅くとも半年は時間がかかると思います。
「現段階でさえボロボロなのに…」とお思いになった方も多いますが、
本当の恐怖はこれからなのです
今から10年ほど前、企業は人件費が高くつく中高年の従業員をリストラし、新卒の採用を控え、残った従業員にハードワークを強い、過労死させるまで追い込んでいた時期がありました。
その頃はまだ、日本企業の従業員の人材価値は高く、体力がありました。
その後、派遣法の改正等により、企業はその隙間を埋めるように非正規雇用を活用するようになり、その後の微々たる景気回復により新卒バブルが起こり、今に至るわけですが、
今の日本企業には、10年前ほどの従業員の人材価値も、体力も残っていません
そんな状態で、これから何年と続くかも知れない大不況に耐えられるかどうか?
残念ながら、到底無理だと思います。
俺が思うに、10年前以上に大企業の倒産が相次ぐのではないかと思います。
非正規雇用に依存している企業であればあるほど、倒産の可能性が高い
と俺は睨んでいます。
「企業は人なり」
という言葉があるように、従業員の質が良くない企業は、この先の大不況時代に生き残ることは、まず不可能なのではないかと思うのです。
日本は人が資源の国です。
“人”の質がダメになったら、もう日本には何の価値もないのです
人が人を育てることを放棄し、一時の経済価値ばかりを求めた結果、日本人の質、日系企業の質が著しく下落してしまいました。
そのツケが、“人材不足”なのです。
これから先の時代は、正社員だろうが、派遣だろうが、容赦なく下に叩き落とされる時代になります。
自分の力で金を産む能力がない人間は、どんどん下に落とされていきます
カルト的資本主義にエンドマークが付された今、実態の無い物を取引して金を稼ぐ虚業の時代はもう終わったのです。
この先は、形のあるもの、資源が物を言う時代になります。
残念ながら、日本には資源がありません。
唯一、“資源”と呼べるものは、人間以外にありません。
日本人の人間力をいかに高めていくか
が、今後、日本という国が存続出来るかどうかの重要なキーワードになることは間違いありません。
2008-09-10
■[多言論争]無責任なんて言うけれど・・・
9月に入って早々、福田総理(以下:チンパン)辞任のニュースが日本列島を駆け巡り、
「ようやく辞めてくれたか…」と心の底から安堵したのは俺だけでしょうか?
野党の皆様方は「無責任だ!」とチンパンを叩きまくっていますが、
問責決議を出してまで辞めさせようとしたのは野党の皆様方じゃないですか。
ようやく辞めて下さったんだから感謝しましょうよ
そもそも、「さっさと辞めろ!」「この無能者!」と国民の間では悪評高かったわけですから、
今回の辞任劇はある意味「民意を汲んだ」とも言えるわけですよ。
「無責任」なんかじゃなくて、「責任を取った」わけですよ。
もうね、チンパンに足を向けて寝れませんよ。
チンパン様様です。
俺なんて、一報を聞いて万歳三唱しちゃいました。
マスコミの方々も、「無責任だぞ!(゜д゜)ゴルァ!!」なんてチンパン叩きを繰り広げているようですけれども、
シンゾーの時とはワケが違うんです。
チンパンが辞めるよりも、チンパン政権が続いた方がよっぽど怖い
わけだし、「今度はちゃんと能力のある人を総理大臣にしてね♪」
と自民党にペンの力でラブコールを送った方がよっぽど建設的だと思うんですけどね。
おこぼれで総理大臣になってしまっているが故に滅茶苦茶になってしまっている。
まあ、一言で言えば、
能力不足
なんですけれどもね。
俺が思うになんですが、政治家という職業は、特殊な職業であるが故に、特殊な教育と才能、そして経験が必要だと思うんですね。
若いうちから海外へ出して、いろんな国で教育を受けさせて、政治経済や国際情勢に長けているのは勿論、
各国に人脈を持ち、数ヶ国語ペラペラ、ディベートや交渉術もバッチリな人間を養成し、その中から政治家を選べばいいんですよ。
本来ならそういう人を政治家にするべきだと思うんですよね。
それなのに、日本の政治家は究極のアマチュア集団なもんだから、
本来政治家になっちゃいけないような連中が政治家になってしまっている。
ロクに政治の勉強をやってこなかった二世・三世議員とか、元アナウンサーとか、元スポーツ選手だとかさ、
「あんたら、政治家になって何がしたいの?」っていう連中がすごく多いじゃない?
そんなんだから、当然、政治家になっても大したことが出来るわけがないんだよ。
だけど、この国では、選挙のときに「スゴイ経歴の持ち主みたいだけど、何だかよく分からない人」より、
「誰もが知ってる有名人」の方が有利なんだよね。
ある意味、そこが政治のジレンマだと思うんだよね。
政治家の能力で言ったら前者なのに、大した能力もないのに「顔が知れているから」
という理由で後者が選ばれてしまったら、これ程の損失はないよね。
確かに、民意は民意で大事なんだけど、
必ずしも民意が正しいわけではないわけで、
国民全員が政治経済から国際情勢、社会問題まで幅広い知識を持ち、その時々に必要な人材を的確に把握しているわけじゃないからね。
日本国民全員がそこまで賢かったら、こんなことにはなってないんだけどさ。
国民は自分達の生活に直結する分野には敏感でも、直接関わりのない分野には疎い部分があるからね。
実はこの「直接関わりのない分野」が、政治においては重要だったりするんだけどね。
その最もたる例が国防なんだけどね。
モノがモノだけに、どうしても維持費が巨額になりがちで、それ故に国民のバッシングの対象になってしまいがちなんだけど、
今のこの状態で一番金をかける必要があるのは、どう考えても国防でしょう!
気味の悪い北朝鮮情勢、韓国との対馬・竹島問題、尖閣諸島を中心とした中国との問題、そして、一番不気味なロシアとの問題・・・
日本は今、かなり危険な状態だということを、どれだけの人が理解出来ているでしょうか?
政治家の皆様方は、“日米安保”を印籠のように出したがるけど、
残念ながらアメリカは自分達にメリットにならないことはやりたがらない国です。
だから、当てにしてはいけません。
厚労省が、「職業訓練を条件に、ネットカフェ難民に月15万円支援します」っていう制度を打ち出したけどさ、
そんな金があるなら、国防に回せよ!
と思ったのは俺だけではないハズ。
非正規雇用に同情的な立場の俺でも、さすがにこれには怒りました。
だって、こんなことしたら余計自立出来ないよ?
「無利子で自立のための資金を貸します」の方がずっとマシ。
金欲しさに集られるだけじゃん!
しっかし、娘の七光で国会議員にまでなってしまったさくらパパといい、姫井のオバサンといい、
民主党ってつくづく人を見る目がないよね
一応、野党第一党ではあるけれど、あまりにも頼りなさ過ぎる。
昨今の自民がヘタレなせいで、「自民よりマシ」と思っている人が多いと思うけど、
「自民と互角に戦える政党か?」と言うと残念ながら力不足だよね。
今の民主党に政権を握らせるのはあまりに危険
だと思いますし、現在の小沢の独裁体制下ではちょっと危険なものがあります。
じゃあ、社会党や共産党ならどうか?というと、余計にヤバイものがあるしさぁ・・・
昨今の非正規雇用の問題で、小林多喜二の蟹工船が注目を浴びるようになって、
昨年9月以降からの10ヶ月間で、共産党への入党者が約1万人にまで達したとのことだけど、
悪いけど、いいように振り回されてるとしか思えない。
政治家もヤバイけど、それと同じくらい国民もヤバイんだよ。
「自分達は悪くない!悪いのは政治家だ!!」って政治家の責任にしてしまう前に、
その政治家を選んだのは国民だし、勉強不足が故にそういう事態を招いてしまっている以上、こちらも賢くなるしかないんだよ。
そんなわけで、次の総理大臣はローゼン麻生になるのではないか?と言われているけれど、
何であの人が人気があるのかさっぱり分からないんだよね。
逆に、この人が総理になったら、チンパンよりは多少マシかも知れないけど、安倍・福田の二の舞になりそうで怖い。
今この記事を書いている時点では、総裁選の立候補者は麻生、小池、石原、与謝野の4氏みたいだけれども、
個人的には、小池百合子が総理大臣になったら、自民党はあと3年はいける!と思うんだけどな。
まあ、今回は順番から言っても、ローゼン麻生になっちゃうんだろうなと思うけど。
ただ、俺としては、やっぱり小池さんを推したいかな?
「初の女性総理大臣」という箔がつくこともあるけれど、マスコミの扱い方は上手だし、語学は出来るし、したたかだし、
他の3氏と比較したら能力としては上なのではないか・・・
今の政治って、マスコミをどれだけ味方につけられるかでかなり違うから、そういう意味ではやっぱり小池さんかなと。
この人が総理になったら、次の衆院選で勝てるような気がするんだよね。
ローゼンだと、最初は良くても、後々化けの皮が剥がされてバッシングされそうでさ。
今回のチンパン辞任により、次の衆院選に向けて各党が動き出しているようですが、皆様、選挙の際は「○○党だから」ではなく、
その候補者の政治家としての能力を十二分に考えて投票して下さいね。
これ以上、ごく潰しを増やしたら、この国は本当み潰れるぞ。