【カイロ高橋宗男】米軍のイラク駐留を来年以降も可能にする、イラク駐留米軍の地位協定締結問題で、米政府は6日、イラク側が求めていた協定草案の修正について回答した。イラク政府のルバイエ国家安全保障顧問は同日、中東の衛星テレビ、アルアラビーヤに「外国軍の駐留は11年末で終了する」と述べ、米国側が「12年以降も駐留することが可能」とする条項の削除に応じたと明かした。
修正前の案では、米軍はイラク側の求めがあれば12年以降も駐留できることになっていた。同顧問が指した「駐留の終了」が、戦闘部隊以外の治安要員の養成部隊などを含むかどうかは不明。
米軍のイラク駐留期限は国連安保理決議で今年末までとされており、協定が締結されない場合、駐留の法的根拠は失われる。しかしイラク国民の多くは協定を「米国の利権確保の手段」とみている。来年1月末に地方選挙を控え、イラク政界指導者は協定締結を急ぎたくないのが本音だ。イラク政府は国連安保理に再決議を求め駐留期間を暫定的に延長した上で、改めて1月以降、オバマ新政権と交渉する可能性も浮上している。
毎日新聞 2008年11月7日 21時58分